配信スタート
僕がカメラを起動させると共に何の問題もなく配信が始まる。
ここら辺はもう手慣れたものだ。
「こんにちはー、みんな大好きぃ、ナナシちゃんだよぉ」
僕はカメラの前でいつものように挨拶をしていく。
ちなみに僕の配信名はいまだにナナシちゃんである。
もうなんか定着しちゃったし、今さら変えるのもどうなの?ということでそのままなのである。
「はーい、ということで。ナナシちゃんの隣にいるのはライナだよ。今日はよろしくねー!」
『コメント』
・こん!
・こんにちは!
・こんナナシー!
・こんいちはー。
配信が始まると共に順調な形で同接が増え、次々とコメント欄の方に視聴者からのコメントが流れていく。
へ、へへ……見られているぅ。他人が僕を見て、他人が僕へと言葉をぉ。
な、何度経験しても素晴らしい体験だぜ。
これを超える快感など、この世界には存在しないだろう。
『コメント』
・この二人のコンビは久しぶりに見るなぁー。
・おぉー!今日は珍しく一人での配信じゃないのか!
・懐かしいコラボ。
・原点回帰してきたか……いいね。
・ええやぁーん。
僕が快感に浸っている間にも話は進んでいく。
「実は私たちって今、同棲していてね。四六時中ずっといるのにそういえば全然一緒に配信をしていないな、って思って」
「そ、そうなんだよね」
現実に立ち返ってきた僕は桃葉の言葉に頷き、続くの言葉を話す。
「僕も、ライナも自然とソロ配信していたからね」
「……まぁ、私の実力がナナシちゃんに追い付いていない、っていのが結構大きな形であるのだけどぉ」
「そ、それに関してはあれだから……」
正直に言って、前世のように光武と観音様をフルで使えば僕は世界最強であると自負している。
僕に並び立てる人の方が稀だと思う。
『コメント』
・同棲、だとっ!?
・えっ……?
・この二人ってそんなに仲が良かったの?
・うっそぉー!
そんな僕たちの会話を視聴者として聞いているみんなが書き込んでくるコメントは驚きに満ち溢れている。
まぁ、それもそうだよね。
一緒に暮らしているなんて配信の方では一回も言っていないし。
「へ、へへ。すっごく仲いいんだよ?お、おはようからおやすみまで一緒で……高校も同じ。何ならお風呂まで一緒なのぉ」
そんな驚きに満ちたコメント欄へと、僕は得意げになって自分の口から言葉を話していく。
「そーいうこと!私たちって本当に仲がいいのだから」
そして、それに同意する桃葉は遠慮なくの僕の方へと抱き着いてくるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます