第4話 獣を手懐ける者

「なっ、うわぁぁぁ!」

勝手に機体が動いたと思ったら、帝国のヒューマン・フレームを次々に殴り倒していく。

「ちょ、目をつけられたくなぁ!?」

殴る度に機体が揺れ、シートに身体を叩きつけられる。

「う、うぶ……よいそう……」

その時。

ギャリィィン!

強い衝撃と金属音が響く。

「うわぁ!」

機体がバランスを崩す。

そして、敵は剣で胸の装甲を何度も突き刺す。

回数が増えるたびにアラームがコックピットに響く。

「こ、このままじゃ……」

すると、システムディスプレイに文字が浮かび上がる。

『これ以上の自動戦闘は危険と判断。

 これより手動操縦に切り替えます。』

そうすると今まで自動で動いていた操作コンソールがピタリと止まる。

「自分で戦えって、ことか……」

思考を回す。

このままだと、死ぬ。

けど、歯向かったても死ぬ。

なら、せめて……

「やるしか、ないなら……!」

コンソールを握る。

「!」

その瞬間、頭に何かが入り込んでくる感覚が襲う。

「やり方が、わかる……?」

何故か、このコックピット、このコンソール、このディスプレイに既視感を感じた。

何故か操縦方法がわかる。

「でも、分かるならっ!」


この時、獣は主を思い出した。

紅く輝かやいた双眸を蒼く染めて。


「これで、終わりだぁぁぁ!」

装甲が剥がれた胸部に剣を突き刺す。

金属音が高く鳴り響く。

剣が突き刺ったのは、アクト・フレームのすぐそばの地面。

金属音を鳴らしたのは、アクト・フレームの拳だった。

拳が剣を持った腕の肩部の関節を貫通する。

「なっ、」

隊長機が明らかに同様する。

その隙を狙って、胴体を蹴り飛ばし、体勢を立て直す。

「ッ、我らが帝国の為にッ!」

同じく体勢を立て直した隊長機がもう一本の剣を腰部から抜き、突撃する。

「はぁぁぁぁ!」

ギャリィィン!

アクト・フレームの横蹴りが装甲を抉る。

そのままアクト・フレームは身体を捻り、残った腕を引きちぎる。

そしてすぐさま体勢を立て直し、頭部装甲を拳で貫通する。

そのままゆっくり拳を引き抜き、ゆらりと立ち上がる。


「ハァ、ハァ……か、勝てた…!」

正直、レット自身我武者羅で何をしたか覚えて無いが、勝てたことは確かだった。だが、思考が冷静になると、とある不安が浮かび上がる。

「こ、これ……どうしよう……」

ザッ……ザザッ……

システムディスプレイに通信の通知が表示される。

『聞こえるか、アクト・フレームのパイロット。

 今すぐ戦闘行為を終了し、指示に従え。』



ーーーーーーちょっとお知らせーーーーーーーーー

どうも。MasterMMです。この話を読み終わった皆様、少しだけお時間を下さい。私の近況ノートにて、「もう一個聞きたい事が…」にて、「源刻のヴァルキリウス」のアイディア、意見を募集しております。もし時間、または意見がお有りの方はご協力お願い致します。

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