さてしもあらず
……なじみの
と
庭に
また、声の人物が、己の姿を見せることはない。鹿島屋の主人の座を引き継いだ千幸は、先代の云いつけにしたがい、残り少ない採種油と食用の塩を別々の小皿に用意して、坪庭の花壇の近くに置いた。採種油は高価だが、常備しておく必要がある。
朝の用足しをすませて店の間へ向かう
余計なことに時間を
「なにかご用ですか」
「そいつを
「ですが、これは……」
「
慈浪は千幸の手から盆を引き取り、
若旦那の事情など知らずに寝込む結之丞は、ぼんやりと天井の
〘つづく〙
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