無実の罪

@calumniation

第1話 義母の土下座

「彼は策略家だね」

つい1時間前、妻のLINEに私への誹謗中傷を送りつけてきた義母が突然家に上がり込んできて、目の前で土下座をした。


「本当にごめんなさいと。」土下座しながら義母は言う。


妻と義母のLINEの内容を聞いていたので、私の怒りは既に頂点であり、この土下座が、この謝罪が一体何のためにしているのか到底理解できない。


本心はわからないが、この半年間会う事のできなかった「孫」に会いたいがために、心の奥底では「お前が盗ったんだろ?」と思いつつも、ぐっと我慢して土下座をしているだけにしか私には見えなかった。


謝罪の言葉も口先だけの言葉にしか聞こえなかった。


私は心を少しでも落ち着かせようと、いつもの水筒に温かい紅茶をいれたものを、時々飲みながら、怒りに震えていた。


謝罪をしている義母はわかっていない。

その謝罪の言葉は鈍器であり、言葉一つ一つが

私の心を破壊していく事を。



無実の罪をつきつけられて、ちょうど6ヶ月。


私の心は壊れかけている。

いや、おそらくもう、壊れている。

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