TOMATO.
猫野 尻尾
第1話:落ちてきたおもちゃ。
この小説はひらめきや刺激を与えてくださった方のオマージュです。
宇宙空間を一台の宇宙船が漂っていた。
宇宙船のボディには「スペース・トイズ」って書かれてあった。
つまり「宇宙のおもちゃ屋さん」ってことですよね。
運転してた宇宙人は星から星への行商で疲れていて居眠りをしてしまった。
で、かなり流されて太陽系まで来てしまって、ちょうど地球の上に来た時、
運悪く小粒の隕石が宇宙船に当たった。
そのショックで宇宙人が目を覚ましてびっくり。
「おえっ・・・なにが起きたんだ?」
「ありゃりゃ・・・ここはどこだ?・・・ずいぶん流されたみたいだな」
「かなりコースがズレてるぞ・・・」
「三時間はロスしたぜ・・・Uターン、Uターンと・・・」
急いで宇宙船の方向転換をしたもんだから、荷台の積んでいた卵型のおもちゃ
のひとつがポロっと荷台からこぼれた。
おもちゃはそのまま宇宙を漂って徐々に地球の大気圏に落ちて行った。
さてここは地球のポテトチップスって町の端っこにあるコーンパフってところ。
静かでのんびりした田舎町。
そこに一軒の小ぶりな賃貸マンションが建っている。
オーナー「大家」は「
科学者で発明家・・・マンションの部屋は4棟あって1棟は博士と孫の立郎が
暮らしていた。
後の3棟には賃貸にして、すでに住人が住んでいる。
マンションに隣接して博士の研究所兼ラボがあって博士はほとんどそこで
生活していた。
立郎は高校2年の17歳で、両親は彼が幼い時、早く亡くなっていたため今は博士
と暮らしている。
そして、お茶柱博士には同業のライバルがいた。
「やい、お茶柱〜・・・出てこい、もうストーリーが始まってるぞ」
そう怒鳴られて家の中から一人の人物が出てきて怒鳴り返した。
「あやかましい・・・天罰〜・・・またおまえか?」
「今日は今朝からこれで3度目だぞ・・・しつこい」
「お茶柱〜」と怒鳴っていたのが「
お茶柱博士」のライバルなのだ。
まあ、才能はお互い目くそ鼻くそ。
技術を競いあってる自称科学者。
ふたりは普段は発明品を売って生計を立ている。
ガラクタが多いが、中には特許を取っているまともな商品もある。
「天罰〜帰れ帰れ、おまえに用はないわい」
お茶柱博士は、言うだけ言うとドアをおもいきり閉めた。
「待て待て・・・いきなり来た俺が悪かった・・・見捨てないでくれ」
「ふん、なんじゃ軟弱者めが・・・とっとと帰れ!!」
「お茶柱め、不愛想なやつめ・・・今に見ておれバカめが」
お茶柱博士から相手にしてもらえなかった天罰博士は、ぶくつさ言いながら
引き上げて行こうとした。
そしたら空から卵型の物体が上空から落ちてきて博士の頭に直撃した。
ゴーンってすごい音がした。
そいつを頭に食らった天罰博士はその場で気絶した。
死んでないのがすごい。
天罰博士の頭の上に落ちた卵型の物体は、あのおもちゃ屋の宇宙船からこぼれ
落ちたおもちゃだった。
大きな音になにごとかと、お茶柱博士が外に様子を見に出てきた。
そしたら天罰博士が倒れていて、そばに卵型の物体が転がっていた。
「こいつ〜、人の家の前で昼寝なんぞしおって」
「帰ったんじゃなかったのか?」
「おや?これはなにかな?」
卵型の物体を見つけたお茶柱博士は天罰博士を放っておいて、荷台を持って
きて卵を乗せると、そのままラボに持って帰った。
台の上に置いて調べてみたがどこにも開け口らしきものが見当たらない。
「たぶんこれは入れ物じゃろう?」
「中になにか入ってそうじゃが、どうやったら中身が見れるのかの〜」
まあ、しかたない・・・時間があるときにまた調べてみるか?
頭をしこたま打った天罰博士は気がついたあと朦朧としたまま一時的に記憶を
失って家に帰って行った。
立郎が学校から帰ってきて、博士の工房にやって来ると博士が例の卵と
にらめこをしていた。
「じいちゃん・・・なにやってんの?」
「うん・・・こんなものが空から降って来たんじゃが、なんなのかよく分からん」
「卵に見えるけど・・・それ異星人が生んだ卵だったりして」
「エイリアンみたいにか?」
「あんなキミが悪いもんじゃないだろ?・・・勝手に開くようでもないしな」
「どうやったら開くんじゃ?」
「なんか呪文唱えるとか?」
「そんなもん余計分かるはずなかろう」
「う〜ん・・・じゃあ、たとえば、開け〜ゴマ〜・・・とか?」
「そんなんで開いたら苦労せんわい」
そしたら卵はいきなりパカンって開いた。
「終えっ・・・開いた・・・なバカな」
で、博士と立郎は開いた卵の中を、恐る恐る見た・・・。
そしたら、なんとなんと・・・そこには?。
とぅ〜び〜こんて乳。
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