第13話 図書館

「俺は、…準備して、転職して、働きながら漫画を書いていきたい。いずれは、電子書籍でも良いから漫画家になりたい!」

「わかりました。僕は目標を捉えて決意した貴方を応援します。一緒に頑張りましょう。…では、図書館へ行きましょう。」


図書館へ徒歩で向かう。15分程歩き、到着した。茶色い2階建ての施設だ。中へ入ると思いの外広い。棚も高く横に並べられ、別室には食堂もあるくらいだ。1日過ごすだけでは足りない。

それにしても、買った本を持って来てわざわざ図書館で読むなんて邪道ではないか?ましてや、今日買った本は図書館であるかもしれない。

「では、閉鎖する19時まで"勉強"しましょう。館内で気になった本を見つけたら自由に読んで構いません。まだ、4時間余ってます。この時間を有意義に。」

そう言うと、健太は何事もなくご高齢な受付人の側を通り過ぎて横の奥テーブルへ消えていった。受付を通り過ぎて行ったことから、どうやら買った本は持ってきても問題ないようだ。その分帰り際に忘れないようにしないと。

俺は受付を過ぎて正面に2階へ向かう階段を登った。閑静な空間にカツカツと足音が刻みよく響いた。2階も広く、小説や図鑑がメインだ。1階同様、白い長机が棚の間に3つ平行している。にしても、さっきから人がほとんどいない。席には誰も見受けられない。

「意外だなぁ。」

広い図書館の割には利用者が少ないのかな?まあ、全体的に古い造りだし。適当に奥の壁際へ席に着く。ガサガサと音を立てて買ってきた冊子を一部抜粋して取り出す。

選ばれた秘書検定2級とメンタル系参考書を机に置いて迷いなく秘書検定を手に取って読み始めた。過去問はテキスト1週してから始めよう。

不思議と充実という多幸感が味わえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る