第21話 遭難

張暁と殷正は、小型発電機を携えて世界中を巡る旅に出た。彼らの目的は、長老たちによって引き起こされた惨状を世間に知らせることだった。


しかし、旅の途中で予期せぬ出来事が待っていた。両親からもらった発電機が故障してしまったのだ。


「どうしよう…これじゃ先に進めない」 張暁が落胆の色を浮かべる中、殷正は希望を捨てなかった。


「大丈夫だ。きっとどこかで修理できるはずだ」


2人は発電機を修理する場所を探し始めた。しかし、世界は大混乱に陥っていた。新人類の能力が失われたことで、かつての文明は崩壊し、人々は生き残りをかけて争っていた。


辺鄙な村を旅する2人に、誰も手を貸そうとはしなかった。やがて食料と水も無くなり、張暁と殷正は遭難状態に陥ってしまった。


「もう…無理かもしれない」 張暁が絶望的な言葉を口にした時、遠くから1人の男性が近づいてきた。その男は物々しい表情で2人を見つめていた。


「助けが必要なようだな。俺に来い」


男に連れられるまま2人は、少し離れた場所にあるバラックへと足を運んだ。そこには男の一行が居た。彼らは発電機を修理する知識と技術を持っていた。


「君たちが目指す旅の目的なら分かっている。力になりたい」 男は発電機の修理を申し出た。そして、彼らの一行も旅に同行することになった。


希望に満ちた一行は、再び世界を巡る旅に出発した。しかし、その先に待ち受ける試練は並大抵のものではなかった。

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