第4話 新学期
初めてあの子に会ったのは、高校二年生の時。
いつもより早い時間に起きて、布団を畳む、いつもはしないのに。眠気で開かない目を擦りながら、一階の洗面所に行く。鏡に映る私は、見るにも耐えない程に不細工だった。この顔もメイクをすれば少しは変わると、ヘアバンドをつける。手にもっこりと泡をのせて、優しく顔に滑らせる。水で優しく洗い流したあとは、顔を包むように顔に乗せて、化粧水をゆっくり、浸透させるように塗る。眠気の冷めた体に、追い討ちをかけるように、嫌いなミント味の歯磨き粉で数分歯磨き。ミントって、しばらく口に風味が残るから嫌い、美味しいご飯が全部ミント風味になってしまう……。そんな馬鹿げたことを思いながら、口をゆすぐ。
二階に上がって、メイクをする。校則で禁止されてはいるけど、ここの高校は甘く、みんな黙認されている。クラス替えだし、第一印象も良いものでありたいし、いつもより気合いを入れてメイクをする。
まず、メイク前にカラコンを入れる。そして、日焼け止めを満面なく塗って、下地を塗って、ツヤ感を出すファンデーションをぱっと、緊張で寝れなくて血色の悪い部分にコンシーラーを。これでベースは完成。
次はアイメイク。アイブロウで薄くなりすぎず、濃すぎず。ナチュラルに仕上げたい場合は、アイシャドウの前にアイラインをするのがコツ。目頭と、目尻にキリッとなるようにアイラインを引く。アイシャドウは、明るい色から暗い色へ、馴染ませるように。ビューラーでくるくるしたまつ毛に、お人形さんのように。マスカラでサッと強調させて、アイラインも完成!!
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