予選
学年トーナメント。
それはサングイス王国アーンクラ王朝が誇るネモセク学園。
そこが年一で行っている催しものである。
多くの来賓まで招いて行われるこの戦いは非常に大きな意味を持つ。
「……ふわぁ」
そんな学年トーナメントなのだが、いくら何でもすべての生徒が戦っている姿を見せることは不可能である。
時間的に。
ステージを四つに分割してもそう。
ということでまずは一つの学年から代表となるものを八名。
選ぶための予選が行われることになっている。
一学年でクラスは全部で二つ。
なのでうちのクラスからは四人選ばれることになる。
正直に言うと、うちのクラスの代表はもうほぼ決まっているようなものだ。
僕と、リーベと、ミエド。そして、あとは豚。
ここの四人は固いだろう……というより、下剋上起こすなんてほぼ不可能である。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああっ!!!」
「くっそっ!お前なんかに俺が負けるかよぉ!うぉぉぉぉおおおおおおおおおおお」
「平民に、……平民にこの俺が負けるだとぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおっ!?」
「……なんか、ごめんなさい」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああっ!!!」
「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
だが、それでも一応この予選は成績にも加算される。
だからこそ基本的にどの生徒も大真面目に予選の戦いに取り組んでいる。
「申し訳ありませんが、私との戦闘では期待しないでほしいですの。総当たり戦ですので、私以外との闘いで活躍いたしますわー!」
予選の戦いはクラスでの総当たり戦。
ただし、予選を勝ち進むと予想される成績上位者四名は互いに当たらないようにしながら、である。
ちなみに成績上位者は上から僕、豚、ミエド、リーベとなっている。
普段の授業で銃を使わないリーベの成績はちょっと抑えめである。
それでもまぁ、四位以内には入るのだが。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああっ!?」
「ぬわぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああっ!?」
「おかぁさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああんっ!!」
学園トーナメントの予選。
それについて振り返りながら、僕は淡々と自分の目の前にやってくる対戦相手を一蹴していくのだった。
さすがにただの生徒と僕とでは実力者がありすぎて正直作業ゲーである。
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