魔法
それから。
何の問題もない順風満帆な僕の学園生活が始まった。
「それじゃあ、まずは聞いていくわね。さすがにここのメンバーで初級魔法が使えない子はいないと思うからここは飛ばしていくわ。それで最初の質問。まずは魔力とは何かしら?……そうね、それじゃあ答えてもらえるかしら、Ms.ラシア」
今は、魔法の授業を聞いている最中である。
基本的に授業の内容は今さら?というような内容なので基本的には暇である。
「はい。魔力とは生命であれば誰もが持っているのことですよね?この魔力を属性魔力に変換することで魔法を発動させます」
「はい、その通り。ちなみに魔力は魔法のほかにも様々な形で応用できます。封印術であったり、魔道具の起動だったり、それらも一緒に覚えていてください。それでは話を変えて魔法の発動プロセスは何かしら?同じくあなたに答えてもらいたいわ。ここを教えてもらっていない子が多いのよ」
「え、えっと……。まず、魔法は属性に分かれていて、地、水、風、火に分かれている。それで、魔法発動のプロセスとしては何の属性にも染まっていない魔力に属性を与えて属性魔力へと変換。そして、体の中にある属性魔力を体外に放出することで魔法になる……です」
三角。
魔法陣の説明がない。
僕は勝手に生徒の答えを採点し、教卓に立つ先生も僕と似たようなことを話す。
「えぇ、あっているわね。ただ、足りないわね。貴方の説明は初級魔法の説明にしかなっていないわ。ただ属性魔力を体外に放出しただけ。これが初級魔法よ。貴方たちは魔法陣を使うでしょう?魔法の発動の際に。初級魔法では使わない魔法陣を。まず初級魔法は少量の土を出す、少量の水を出す、そよ風を起こす、火種を起こす。この程度の話なのは御存知のとおりね?だけど、この初級魔法では攻撃に使えない。これらの形を変える必要がある。そのために必要となるのが魔法陣。体外へと放出する際に魔法陣を展開することで初級魔法の在り方に変化を加えるのよ。出す量を多くしたり、形を変えたり……その変え方は人それぞれで実に多くのパターンがあるわ」
魔法の研究に対しては僕の専門分野である。
前世において、研究者が多くの物理法則を見つけて式にしたように、この世界では多くの研究者が多くの魔法法則を見つけて魔法陣として魔法を作り出すのである。
まぁ、新しい魔法陣を作るのはそこまで難しくない。
少し勉強すれば十分だ……ただ、過去の先人が作ってきた魔法を超えるオリジナルの魔法を作るのは至難の業だが。
「ふわぁ」
そんなこんなで。
僕は今のところは何の問題もない学区工生活を送っていたのだった。
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