番外編⑨完成

 「国王様、例の物が完成・・・・・・いたしました・・・・・・

 「おぉ、ついに完成したか」


 兵士の一人から、王様は"ある物"をその場で受け取った。


 「これを付ければ、かなり生活しやすいかと…」

 「うむ、ご苦労だった」

 「…あの、本当に呼ぶのですか?」


 兵士は不安になっていた。

 本当に呼ぶ・・・・・べきかどうか・・・・・・


 「なに心配はいらん、もしもの時はワシがどうにかしよう」

 「はぁ…そうですか……」

 「……また何かあったら報告するように、良いな」

 「わ、わかりました」


 兵士の一人がその場を離れる。

 王様は手にした物をじっくりと観察していた。


 「これがあれば、少しは役に立つかな……ハルトよ・・・・


 春兎の名を口にした。

 しばらくして、城の前に馬車が到着した。


 「やっと帰って来れました」


 馬車から降り、城の周りを眺める。


 「お父様は・・・・元気にしてたかしら?」


 "お父様"とその名を口にし、城の門へと歩みを進めた。

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