問3 問題

問3 この文章の後、この登場人物Fは死亡します。その予兆を感じさせる一文を抜き出し、作者がどういった意図でそう書いたのか、その理由を述べなさい。


「まさか、嵐の夜に田んぼの様子を見に来ただけでこんな奴に出会うなんてな」


 地面は未だ燃え盛る炎に包まれており、嵐すら押し退ける熱波に包まれている。

 その中にそびえ立つ古代兵器ズドン号が、再び、ズドン砲を構える。

 そして、エネルギーを再充填する。

 また、あの破壊の光が来る。

 Fは言った。


「おい、馬鹿弟子。ここは俺に任せて先に行け」

「師匠!? あんた、死ぬつもりか?」

「ふ……馬鹿言え――この戦いが終わったら俺は結婚するんだぞ?」

「だったら!」

「ふ……俺を誰だと思っている? フラグ村最強の剣士だぞ?」

「だけど!」

「ところで、お前の隠された真の力と、それを狙う悪の組織と、この世界の秘密と、お前の本当の父親のことについてだが」

「今それどころじゃないだろ!」

「そうだな……後でゆっくり聞かせてやるよ」

「必ず……必ず帰ってこいよ! サラダ作って待ってるからな!」


 そう言い残して走っていく弟子の後ろ姿を見送る。

 ついほんの前までは小さな子供だったその背中が、いつの間か随分と大きくなっていたことにFは不意に気づく。

 苦笑し、剣を構えつつ呟く。


「ふ……これが終わったら、こんな稼業からは足を洗って、奴の経営するサラダ店の従業員としてキャベツの千切りを学ぶのもいいかもしれないな……行くぞポンコツ。お前に見せてやる。禁じられたフラグ流剣術――」


      □□□


「あ……」


 その瞬間。

 Fの結婚相手の手からFが愛用している湯飲み茶碗が滑り落ちた。

 それは、床に落ちて粉々に砕け散る。


「F……」

 

      □□□


「――『絶死此レ人』」



・「死亡フラグだから」という理由は不合格とする。

・同様に「お約束だから」「よくある奴だから」などの答えも不合格とする。

・SF禁止。ただし、ズドン号はSFに含まれないものとする。

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