2023年の現代、ロック・テンセイはいつものように髭を剃っている最中、情報屋から電話がかかってきました。その日は日本のコミックマーケット2023（通称コミケ / 冬コミ）の日で、情報屋から得たお宝の情報を元に、ロックはコミケを見学しながら、幼馴染のアンのコスプレを見るために、東京ビッグサイトへと向かいました。

東京ビッグサイトでは、多くの人々がコミケを楽しんでいました。その中でロックが歩いていると、突然、少女とぶつかってしまいました。少女は当たった拍子にペンダントをどこかに落としたようで、ロックも一緒にペンダントを探すことになりました。人だかりの中でロックはペンダントを見つけ、少女に手渡しました。少女は感謝するとアージンと名乗り、一緒にコミケを楽しむことになりました。

ブースの奥では、アンが新たに仕立てた『真希波・マリ・イラストリアス』というコスプレの発表をしていました。ロックが記念に撮影すると、気づいたアンが視線を向けました。次はアージンが撮影に挑むのですが、そのとき、アージンのペンダントとアンのメガネが反応して暴走を起こし、空間が歪みだし、アンはその中に吸い込まれて消えてしまいました。ロックはその場に落ちていたメガネを拾い、アンの後を追って謎の穴へと消えていきました。

ロックがたどり着いたのは、1999年の過去、ヤンキーがたむろする危険な場所でした。戦いながら高架下を抜けて街を目指すと、元いた世界に似ていましたが、ノストラダムスの大予言が辺り一面に異様な雰囲気を漂わせていました。住民に話を聞くと、ここは1999年の過去の東京駅で、この過去の世界では日本の警察と暴走族が戦っていました。ロックは元いた時代からなんと24年過去の世界へとタイムスリップしていたのです。

ロックはアンを探して丸の内警察署に到着すると、そこでスーツ姿のアンと再会しました。アンはこの時代のフランスの外務大臣、ルィーズと容姿が似ていたため、間違って保護されていたのでした。『ロマンス詐欺』に引っかかると、ポッドキャストに面白おかしくした話を上げていたロックがここまで探しに来てくれたことに、アンは大いに喜びました。

しかし、その話の途中で、アンの様子がおかしくなり、光に包まれて、ロックの目の前で消え去ってしまいました。ロックたちの後を追ってやってきたアージンの説明によれば、実はアンの生みの親はフランスの外務大臣で、欧州連合（EU）の法制度を発展させた女性にあたります。本来、助けられるはずのルィーズの代わりに、アンが助けられました。そのため、歴史が変わってしまい、ルィーズは救出されぬまま死亡し、その影響で子孫にあたるアンも生まれなくなり、存在自体が消えてしまったのです。

歴史を元に戻すために、ロックたちはルィーズの探索に向かいます。ロックは現代で世話になっている情報屋へと接触を図ります。新宿区で一番大きな教会でルィーズのパスポートを発見しました。秘密を知ったロックたちを消そうとして、修道女たちはヴァンパイアの正体を現し、戦闘になります。

一同は教会の奥へと進んでいくと、そこではロックの祖父がルィーズを殺害しようとする直前でした。ロックは「じぃさん!? なんでこんな所にいるんだ」と驚きます。祖父に化けていたのは、実はヴァンパイアでした。その恐ろしい姿を現した瞬間、ロックは驚きと恐怖で固まってしまいました。しかし、彼はすぐに立ち直り、祖父を倒すために戦闘を開始しました。

激しい戦闘の末、ロックはついにヴァンパイアを倒し、ルィーズと本物の祖父を救出することに成功しました。一同は無事に丸の内警察署に戻り、ルィーズが無事に救出されたことで歴史が元に戻り、アンの存在もよみがえりました。

ロック、アン、アージンの三人は、現代に戻る前に、ちょっとだけサンシャイン水族館で遊ぶことにしました。彼らは楽しく水族館を巡り、色とりどりの魚たちや、美しいサンゴ礁を見て回りました。

しかし、その楽しい時間も束の間、彼らが池袋駅に降り立ったとき、突如として包丁と金槌を振り回す通り魔が現れました。ロックはすぐにアージンを庇い、自身が通り魔の攻撃を受けてしまいました。その結果、彼の命は絶たれ、「池袋通り魔殺人事件」に巻き込まれてしまったのです。

◇　つづく

※　この物語はフィクションです。

　　絶対にフィクションです。