米異箱

羽弦トリス

米異箱

それは、朝のホームルームの時に発覚した。

教壇の上に箱がある。リボンが付いてる。

教師の羽弦は、生徒に、

「誰だ?この箱を置いたのは」

生徒の1人が、

「先生の為に置いたんじゃないですか?」

「馬鹿な事を言うな!この箱を開いてみるか」

教師は、リボンを紐解こうとすると、

「先生、絶対に開かないで!って、メモがありますよ」

羽弦の死角に、メモはくっついていた。

教師は、箱開けるのをためらった。


教師は箱を手に持ち、

「何か、ちょっと重いな」

「先生、それはもしかしたら爆弾かも……」

「……そ、そんな気もしてきた。よし、お前ら、体育館に避難しろ。他のクラスの生徒にも声を掛けるんだ。先生は、警察に通報する」


学校は騒然となった。

いち早く情報をキャッチしたメディアは生放送を開始した。


「こちらは、爆発物が送られてきたと情報がある、米異よねい高等学校です。今、県警の爆弾処理班が現場に向かっているもようです。学校の関係者によると、爆破予告などは確認が取れていません」


爆弾処理班は、教壇の箱を発見した。

ロボットアームで、箱を掴み慎重に処理を開始する。


だが、金属の反応が出ない。爆発物では無いことが判明した。


県警の隊員が箱を開いた。

すると、そこには……。


使用済みの紙おむつだった。


しかも、大! 


隊員は、紙おむつの臭いで気を失った。

そこには手紙が添えられていた。


『米異高等学校、100周年おめでとう。私が出来る精一杯の気持ちです』


「あっ、県警が引き上げました。爆発物では無かった模様ですが、隊員の内数名は体調不良を訴え、救急車に担ぎ込まれています」


米異高等学校の校長の話によると、

「あの箱は、決して開いてはいけない、パンドラの箱でした。残ったのは糞でありました。犯人を憎みます。……あ、めまいが」

「校長、校長先生!お気を確かに!」


哀れ校長も救急車に担ぎ込まれた。


担任の羽弦先生は、世紀の大嫌がらせだとテレビカメラに向かって言っていた。

残念だ。


終劇

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米異箱 羽弦トリス @September-0919

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