155. STING『Ten Summoner's Tales』(1993)

 英国の伝説的3ピースバンドPOLICEの元フロントマン、Sting(Vo./Ba.)の輝かしいソロキャリアの中で、個人的に思い入れの深い一作を取り上げます。



◆STING『Ten Summoner's Tales』(1993)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/5kV0KBXfELibs6qQJLmOtg?si=lCNhxDSdS7uExL_Kzlbaww


 Vinnie Colaiuta(Dr.)、Dominic Miller(Gt.)、David Sancious(Key.)という超一流の顔ぶれに隙は無し。ジャズのフレーバーを漂わせつつも、卓越したポップセンスに裏打ちされた絶妙な洗練性は取っつきにくさとは無縁です。


 変拍子や凝ったコード進行の盛り込まれた各曲の音楽性は幅広く、プログレファンにおすすめしたい非プログレアルバムの一つです。



☆「If I Ever Lose My Faith In You」

https://www.youtube.com/watch?v=7km4EHgkQiw


 まずはこの曲がないと始まりません。大ヒットしたリードトラック。ポップでありながら飾らない自然体の、それでいておしゃれなスウィング感は、一聴した私をすっかり虜にしたのでした。


 シンプルながらツボをしっかりと押さえたベースラインもまさに匠の技です。若い時分は派手なテクニックばかりに憧れがちですが、今となってはその凄さを痛感します。



☆「Seven Days」

https://www.youtube.com/watch?v=pG7_gceIFL4


 5拍子を基調とした曲ですが、乗りやすく違和感を感じさせないビートが心地良いです。噛み合ったアンサンブルのおかげもあるのでしょう。触感はさらりとしていながら、その実味わい深くて大好きな曲です。



☆「Saint Augustine In Hell」

https://www.youtube.com/watch?v=YdnZh-CLMlM


 これまた7拍子とプログレ風味。曲調の方はアルバム中随一のヘヴィさです。ライブでは中間部のナレーションをヴィニーが担当していたのが印象的でした。続くオルガンソロもおしゃれで格好いいです。



 当時このアルバムの再現ライヴを映像で観ていたのですが、全員が本物のプロフェッショナル・ミュージシャンという感じで、とてもまぶしく映ったのを憶えています。

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