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31. ゴダイゴ『西遊記』(1978)

ゴダイゴというと、個人的にはプログレ・バンドとしてのイメージが強くあります。初期のコンセプチュアルな作風に加え、たぐいまれなるアレンジャー兼キーボーディストであるミッキー吉野 (Key.)の存在も大きな理由です。


そんな吉野が認めた天才ソングライター・タケカワユキヒデ(Vo.)を始め、卓越したテクニックを有するメンバーたちの演奏も相乗効果を高めます。


今回は、日本の音楽史に残る数々のヒット曲を生み出したゴダイゴの、誰もが認めるであろう代表作を取り上げます。



◆ゴダイゴ『西遊記』(1978)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/2IEUAK66B6cC51qlAtSzKz?si=T7-jEEJTQOqPKPHdu03i-g


堺正章主演で人気を博した名作TVドラマのサウンドトラック盤。単なる劇伴集ではなく、一曲一曲がキャッチーな歌モノとして独立した魅力を放っています。さらにはコンセプトアルバムとしての組み立ても見事な、贅沢ぜいたくで完成度の高い作品です。



◇「ザ・バース・オブ・ジ・オデッセイ 〜 モンキー・マジック」


https://www.youtube.com/watch?v=TLV9HDmlyeM


説明不要の超有名曲。タメとして必須なイントロ部分から、待ってましたのえんきょうでテンションぶち上がりです。全てが噛み合ったファンクネス増し増しの演奏をバックに、サビの大合唱でみんな笑顔になれる素敵アンセム。



◇「ハヴォック・イン・ヘヴン」


https://www.youtube.com/watch?v=zNFn5MXHnKE


ファンキーなリズム隊とハードロック的アプローチのギターという組み合わせはFUSION ORCHESTRAを彷彿ほうふつ。されどミッキー吉野印の鍵盤はゴダイゴならではの音像を保持。オリエンタル・プログレッシヴ・ファンクという独自性。



◇「ア・フール!」


https://www.youtube.com/watch?v=FIOhTpLhak8


ハープシコードとフルートの音色が特徴的な、アルバムの中でも異色の曲です。全体を包む能天気でほんわかした空気になごみのひととき。雰囲気だけでなく、メリハリあるリズムや緩急のついた曲展開には匠の技を感じます。



他にも「エイジアティック・フィーバー」「フライング」など、思わず口ずさみたくなるナンバーがいっぱいです。シングル曲しか知らないという方も、この機会にぜひアルバムまるごとご賞味あれ!



【おまけ】


◇「ガンダーラ」


https://www.youtube.com/watch?v=g2cncdj_KfE


こちらも超有名な名バラード。番組のエンディング・テーマに使われたシングル・バージョンはアルバム収録版とは違い、日本語で歌っているほか、フェイドアウト部分がサビのリピートになっています。アコギの音色にしみじみしてしまいます。



◇「ホーリー&ブライト」


https://www.youtube.com/watch?v=d-79kXzTDcg


ドラマ第2期に当たる『西遊記II』のエンディング・テーマ。ベースプレイもキーボードワークもコーラスも、何もかもが格好いい。タケカワ氏の歌は日本語も英語も発声が綺麗で、惚れ惚れしてしまいますよね。



また、ドラマ挿入歌の堺正章「SONGOKU」も、渋い歌声と普遍的な歌詞が沁みる名曲です。作編曲はタケカワユキヒデ&ミッキー吉野、演奏は勿論ゴダイゴ。デジタル配信されていないのが惜しまれます。

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