28. DREAM THEATER『Falling Into Infinity』(1997)
『コンナ音楽堂』筆者の真野魚尾(まの・うおお)です。今回取り上げるのは、言わずと知れたプログレッシヴ・メタルの代表格DREAM THEATERです。
まず挙げるべきは、メタルプログレ両史に名を刻む名盤、2nd『Images And Words』(1992)や、5th『Metropolis,Pt.2 : Scenes From A Memory』(1999)辺りが順当でしょう。後者は特に真野のフェイバリット・アルバムでもあります。
しかし、ここはあえて、こちらの4thアルバムにスポットを当てようと思います。理由は「他のアルバムと比較してバラード曲が秀逸だから」です。
◆DREAM THEATER『Falling Into Infinity』(1997)
https://open.spotify.com/intl-ja/album/2AcOiEYDeMTAzUdVLJ0DP7?si=dR5bnwYtRKusrJN-3IRsdg
Derek Shrinian(Key.)が参加した唯一のスタジオ・フルアルバム(EP・ライヴ盤を除く)。どちらかといえば独特な作風や中間部のメドレーが注目されがちですが、真野の着眼点は別にありました。
★「Hollow Years」
https://www.youtube.com/watch?v=IgU-0__fpXY
哀愁を帯びたアコースティックギターの音色が深く心に沁みます。空虚だった日々に明るく陽が差すような、希望に満ちた曲展開も素晴らしいです。James LaBrie(Vo.)の真骨頂はバラードにあり、と感じさせてくれる名曲。
◇「Anna Lee」
https://www.youtube.com/watch?v=kLogclJdjiY
こちらはピアノの音色が感傷を誘います。間奏部で聴けるJohn Petrucci(Gt.)のスライドギターはなかなかレア。児童虐待をテーマにした歌詞はとても重いのですが、優しく勇気づけるような歌声に救われる気持ちになります。
【おまけ】
同アルバムのセッションで作られた曲の中には、本編に収録されずじまいだったものも数あります。当時録音されたデモ音源は、後年オフィシャル・ブートレッグとしてまとめてリリースもされています。
◆DREAM THEATER『Lost Not Forgotten Archives: Falling Into Infinity Demos 1996-1997』(2022)
https://open.spotify.com/intl-ja/album/2sGvPBY4W7KEJDmgb2eKhc?si=mXmB7OzgQqankanFJ0QIEQ
中でも注目してほしいのがこの1曲です。
◇「Raise The Knife」※ライヴ音源
https://www.youtube.com/watch?v=q_TFhq9Jlo4
アルバム未収録の隠れた名曲です。下記ライヴで披露されたのを初めて耳にして、大変感銘を受けたのが忘れられません。深いメッセージ性と地に足のついた演奏、展開の妙は11分を飽きさせずに聴かせる凄みに満ちています。
◆DREAM THEATER『Score: 20th Anniversary World Tour Live with the Octavarium Orchestra』(2006)
https://open.spotify.com/intl-ja/album/2xumpnhKzt3P0hMlYeuOHe?si=koUxaAX1SU2sNRtQGF0c9Q
該当曲以外にも、キャリアを振り返ってのベスト選曲は聴き応え充分。ライヴ後半ではオーケストラも加わりますが、初めはぎこちない演奏がノッてきてからが本番です。機会があれば映像版もぜひ。
さて、当エッセイではこれまでにSPOCK'S BEARD(第10,11回)、MARILLION(第14回)、THE FLOWER KINGS(第18回)、DREAM THEATER(今回)といったプログレバンドを、順に紹介してきました。
勘の良い読者様ならお気付きかもしれません。これらは全て、近々取り上げる予定の本命バンドへの導線であり、布石です。本番の公開まではもう少々お待ちくださいませ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます