7. JUDAS PRIEST『Invincible Shield』(2024)

第7回にしてまたしても新作、そしてヘヴィメタルの登場です。しかし、筆者がメタラーを自認する以上、今この作品を取り上げないわけには参りませんでした。


1974年デビュー、以降半世紀に渡ってヘヴィメタルの支配者として君臨し続けるJUDAS PRIEST、19枚目のアルバムです。



◆JUDAS PRIEST『Invincible Shield』


https://open.spotify.com/intl-ja/album/0SgF4c7VeFBoATEdpTvgG8?si=V_tm_SVFTIa7589x4hifSg


前作『Firepower』(2018)もオールドファン納得の傑作でした。そして今作、やはり我らがメタルゴッドは期待を裏切らないどころか、軽く飛び越えてきました。


攻防一体、剛勇にして盤石な純度100%の鋼鉄サウンドは、名盤『Screaming For Vengeance』と『Painkiller』を掛け合わせて現代にアップデートしたかのような出色の出来栄えです。



★Judas Priest - Panic Attack (Official Video)


https://www.youtube.com/watch?v=zLPaGqGzdY0


ギターサウンドやリフ、ブリッジの三連ツーバスなど、名曲「Painkiller」を随所で想起させる心憎いリードトラック。「バリカタ! バリカタ!」替え玉おかわりしたくなるコーラスも実に良き。新たな定番曲の誕生ですね。



★Judas Priest - The Serpent and the King (Official Video)


https://www.youtube.com/watch?v=7HGCbuSKIeM


御年70を超えたRob Halford(Vo.)のハイトーン絶唱が堪能できる2曲目。生半可なシンガーではとても太刀打ちできない、圧倒的オーラが一声にして場を支配します。徹頭徹尾ヘヴィメタルにあふれた歌詞もこの上ない頼もしさです。



★Judas Priest - Invincible Shield (Official Video)


https://www.youtube.com/watch?v=HwMZ20ZVZeE


ここまでの冒頭3曲、手加減なしに叩き付けられる鋼鉄神の威光に血が熱くたぎります。Robの唯一無二な存在感、重厚なリズムセクションにハーモナイズド・ギター……PRIESTに期待する全てが詰まったタイトル曲です。



以降もTr.6やTr.8などの味わい深い先行トラックや、高攻撃力なTr.7「As God Is My Witness」などで再び盛り上げてゆく老練な構成力は流石の一言です。


加えて、デラックス・エディション収録の「The Lodger」(※)はボーナストラック扱いが惜しまれる佳曲。1st~2ndを思わせる幽玄さは古参ならずとも聴き逃がせません。


※過去JUDAS PRIESTやHALFORDにも曲提供したBob Halligan Jr.の作。



改めて全体を見渡しても、衰えを一切感じないどころか、増々盛んな勢いには尊敬を超えて畏怖すら覚えます。JUDAS PRIESTの入門アルバムとして、この『Invincible Shield』を勧めるのも妥当な選択と言えるでしょう。



とにもかくにもいちメタラーとして、神話上の存在に等しいJUDAS PRIESTの新曲をこの2024年に聴きながらヘドバンし、拳を突き上げシンガロングできる幸せを噛み締めずにはいられません。

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