第170話 体
◇エリザリーナside◇
ルクスとお風呂に入るために、至って冷静にルクスが自らとお風呂に入ることを断れないよう完璧に話を進めたエリザリーナは、先にルクスにお風呂場で待っててもらうように伝えると、服を脱ぎ始める。
そして、ここまではルクスと確実にお風呂に入るために自らの感情を表に出せなかったエリザリーナだが、もはや確実にルクスとお風呂に入ることができると決定して、一人の今────
「え〜!待って!ルクスとお風呂とか普通に最高!え、大好きな人とお風呂に入るのってこんなにドキドキするの?え〜!好き好き好き好き好き〜!!」
もはや、その感情を抑える理由も無く、エリザリーナはルクスへの愛情を言葉として溢れさせた。
やがて服を全て脱ぐと、脱衣所にある全身鏡に映っている自らの体に目を通す。
第二王女エリザリーナとしての二つ括りの髪型とは違う髪型になっている明るいピンク色の髪に、綺麗さと可愛さの両方を併せ持つ顔、艶のある唇。
体は全体的に色白で細く、大きな胸のある下の腹部には綺麗にくびれができており、腹部中央には薄らと線もできている……加えて、脚も細く長く、女性として完璧と言っても良いほどとても魅力的な体がそこには映っている。
「一応タオルだけ持って、最低限だけ隠してあげた方が良いかな」
ルクスへの配慮で最低限局部が見えないようにだけタオルを手に持つと、エリザリーナはお風呂場のドア前に立った。
そして、勢いよくそのドアを開けると────
「お待たせ〜!ルクス!」
と、お風呂場に響く大きな声でルクスに声をかけた。
「ぜ、全然待ってないので、気にしないでください!」
エリザリーナの姿を見たルクスは、わかりやすく頬を赤くして恥ずかしそうな表情になった。
────え〜!私の体見て照れてるの!?嬉しい〜!ていうか、ルクス可愛い〜!大好きなルクスのそんな可愛いところ見ちゃったら変な気分に……
なんて考えていると、エリザリーナは視線を少し逸らしてから思考を止めた。
「……」
そして、思考を止めたことによって、思わず局部を隠していたタオルも下に落としてしまう。
「エ、エリナさん!?タオルが……!」
幸い、お風呂場入り口に居るエリナの体は、湯気によってルクスからは隠されており、エリザリーナがタオルを落とした直後にルクスも目を瞑ったため、エリザリーナの体の局部がルクスの目に映ることは無かった。
が、もはやエリザリーナにとってはそんなことはどうでもいい……どころか、そんなことを考えてすらいなかった。
一度思考を止めたエリザリーナは、せき止めていたものが決壊するようにその思考を溢れさせて言う。
────ル、ル、ルクスの体かっこよすぎるんだけど!え〜!ルクスの体撫で撫でしてあげたい!!ていうか、待って?恥ずかしがって目閉じて腰にタオル巻いてるルクスって……可愛い!かっこいい!撫で撫でしてあげたい!抱きしめてあげたい!好き!!あ〜!ルクス!!大好き!!
とても優秀な三人の王女の中でも、基本的な学力や頭の良さなどは一番優れていると言えるエリザリーナだが────今のエリザリーナにはそんなものは一切なく、ただただルクスへの愛でいっぱいだった。
「……ねぇ、ルクス、私が今からルクスの体洗ってあげるね?」
「え、え?あ……ありがとうございます」
その後、一度タオルで体を隠したエリザリーナとルクスが体を洗う場所に移動すると、エリザリーナはルクスの後ろに座った。
「ルクスの体洗ってあげるために今からタオル離すけど、私の体が見たかったからいつでも見てくれて良いからね?」
「み、見ません!」
そう言うと、ルクスは照れた様子で目を閉じた。
────あぁ、ルクス可愛い〜。
そんなことを思いながらも石鹸を手に取ると、それを泡立てる。
そして、ルクスの体に触れ始めたエリザリーナは頬を赤く染め、ルクスへの愛情を持ってルクスの体を洗い始めた。
────ルクスの体……ルクス、ルクス……!大好き!!
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