第4話『神隠し』 その3


 だから、ぼくはまた、『山側神社』に具李子さんを呼んだのである。


 『昨日、見てしまった。』


 『見ましたか!』


 『みた。あれは、なんだい?』


 『詳しくは判らないですが、うんじゃーまいやら教団、と、呼ばれるようです。』


 『そういえば、うんじゃーまい………なんとか、かとか、言っていたような。』


 『まいやら。です。この町の大半の人が入っているようです。たぶんね。集会はいくつかの場所で、ばらばらにやってるようです。しかし、ついでに言えばこのお経には、続きがあります。50回に一回だけ続きます。それで、ワンクールみたいです。』


 『よく、知ってるね。』


 『危険を侵して、何度か観察しましたから。さらに、隠しマイクを設置しましたのです。』


 『ほう!』


 『これが、その録音です。』


 具李子さんは、マイクロレコーダーを取り出した。


 『うんじゃー。まいやーら〰️〰️。うんじゃー。まいやーら〰️〰️。うんじゃー。まいやーら〰️〰️。チン。』


 『つぎです。』


 『めんくう〰️〰️。いにこ〰️〰️。めんくう〰️〰️。いにこ〰️〰️。めんくう〰️〰️。いにこ〰️〰️。じゃらじゃらじゃら。どーん。』


 『これで、一回まわりです。』


 『ふうん。なんなんだ、これは。』


 『兄は、やはりこれを探っていました。ノートが残っていましたから。これ。』


 具李子さんは、大学ノートの半分くらいの手帳をバッグから出した。


 『うんじゃーまいやら考』


 とある。


 『ふうん。見て良いですか?』


 『はい。』


 具李子さんは、ぼくに、その大切なノートを渡してくれた。



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