第37話 意外な本性
結局あのあと2時間くらい風紀やら、節序を保つこととかそういう説教ばかりしてきた。
流石にそんなことわからない人なんていないと思うからなぞだったが乃愛にとって必要だったんだろう。
お泊り会はノアの説教で終わった。
でも俺としては特に問題はなくてよかった。
乃愛との仲もなんか軽く嘲笑われた後に元に戻ったので良かった。
つまり結果オーライってやつだ。
明日こそ乃愛とゆっくり過ごすぞ〜!
_____________
今朝は早く起きすぎたみたいだ。
流石に朝の4時半は休日としては早すぎるだろ。
普通の高校生は早くて5時か6時、大体が7時に起きているはずだ。
それにそれは平日の話。
休日はもっと寝ているだろう。
次の日が休日の曜日には夜更かしだったり、遅く寝る人も多いらしいし。
もう一回寝たほうがいいのだろうか。
水でも飲んでからもう一度寝よう。
おっと誰かがもう起きているみたいだ。
こんな早朝からどうしたのだろうか。
まあどうでもいいことだろう。
水水っと
「アハハ!最高!」
はへ?今の声って稲城だよな。
あいつってこんな朝早くから起きて笑ってるとか何してるんだ?
え?えっとその…それ見て笑う?
ムッツリじゃん。ここはそおっと去っていったほうが良さそうだな。
水はまあいっか。
「っ…!誰!?」
ヤバっ。早く逃げないと。
稲城が急いでドアに近づいてくる。
これは間に合うか?
「捕まえた。これ秘密にしてねもし言ったら…あっ。」
「はい、言いません。わたくしは何も見ていません、ムッツリ本なんて見ていませんごめんない。」
「一人称変だよ?それにあたし何も言ってないけど?どうしてムッツリ本とかわかるのかな?」
あ…言ってしまった。
うん、どうしたものか。
いやどうしようもない。つまり詰みである。
少しでも相手の気分を損ねないようなことを言わないと。
「健全な女子高生としては当然だと思います…それでは…」
「待ってよ。これ言われたら困るんだけど。」
これはどうしたものか。
「分かったから。もし言ったら何でもしてやる。」
「言ったね?二言はないよ?えへへ…」
最後の笑いは何だ、最後の笑いは。
なんか妙な違和感がある。
もしかして俺と乃愛を引き離すために使う気か?
それだったらペナルティとしての稲城の命令でも絶対に聞かないぞ!?
「分かってるって。あとその笑い何だ?すごい嫌な予感がするんだが…もしや俺と乃愛を引き離すつもりじゃないだろうな?あ?」
「怒らないでよ…全然そんな命令しないって。それにあたしは自分の力で手に入れたいからね。」
「それってどういうことだよ。脈略がなくて分からないんだけど。」
「良いの!分からなくって!」
「どういうこと?ねぇ教えてって!」
「言わな〜い!」
はあ。本当に調子がいい人だな。
でもこの感じが気持ちいい。
聞けないならもう寝るか。
すっかり目が覚めちゃったけど、起きてるのもあれだしな。
あ、水は飲んでおこう。
______________
「…ちゃん。いつまで寝てるの?もう10時だよ…」
目の前の乃愛が俺に乗っかっている。
これは現実か?いやあり得ない。
それならこれは…
「あれ…?乃愛…?そうかこれは夢か…むにゃむにゃ…」
「現実だよ。変なこと言ってないで起きてよお兄ちゃん。」
「え?マジで!?貴重な休日潰しちゃった気分なんですけど…」
「それは私もだよ。お兄ちゃん知ってる?もう二人共帰っちゃったよ?」
「…出送りできなかった…俺って最低じゃんか。」
来客を見送るという普通のことさえできなかったのかよ俺。
駄目駄目なダメ男だな…
これは今まで彼女いなくても文句は言えないわけだ。
「今日は家族で出掛けるから、早く起きてというか起きなさい。」
「わかってるって。お兄ちゃんは妹の言うことには素直に従うものだもんな。そうだろ?」
「はいはい。そうだね〜早く準備しようね〜」
なんか軽く流された気がする。
悲しい。
その後俺は一目散に着替えて、乃愛のお墨付きを得できる格好をした。
両親は無駄に驚いていたが、そんなものか?
まあいいや。
そして俺達家族は久しぶりの買い物に向かった。
そこで会いたくもない面倒なやつに遭遇することをこのときの俺は知る由もなかった。
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