僕と君がしぬまでにしたい100のこと
瑠燈
あの日の約束
僕は、日波と約束をしたあの日が運命を決めたのかもしれない。
それは僕が10歳の頃だった。
(回想)
僕は、いつものように日波ちゃんと遊びに行った。日波ちゃんと早く遊びに行きたくて、早めに秘密基地に行った。
「ひなみちゃん!」 僕は元気よく挨拶をする。
「ん?早いじゃん、おはよー、しぎりくん。」
「えへへ、早くひなみちゃんと遊びたくて!」
「そう。」
ん?あれ?日波ちゃん、今日元気ない?日波ちゃんは、天真爛漫な笑顔で、元気な女の子だ。それが、全くもって笑顔を見せてくれない。
実は、その笑顔が見たいという思いが、一番の日波ちゃんと遊びたい理由になっていたからなのかわからないが、見せてくれないのは、残念だなとか、思いつつ、気になったので質問してみた。
「ひなみちゃん、どうしたの?今日、元気ないの?」
「え?…そうね。実は、私引っ越さなきゃならないのよ」
「そんな…」
すごく悲しくて、頬が濡れたのがわかった。涙だ。
「泣かないで」
日波ちゃんは、いつも励ましてくれる。でも、きっと日波ちゃんも悲しいんだ。そう思って、
「僕、毎日遊ぶ!日波ちゃんの引っ越す前日まで、毎日遊ぶ!だから、絶対また会おうね…」
言いながらも涙が溢れた。自分の中で、日波ちゃんがこんなにも大きな存在になっていたのかを知らされた。
「…うん。そうね、絶対戻ってくる!そうとなったら毎日遊ぶわよー!」
「うん!」
毎日沢山遊んだ。悲しさが表に出ないように、寂しい気持ちを忘れるように毎日遊んだ。
ついにお別れの日が来てしまった。
「またねー!!絶対だよ!一緒にまた遊ぼうねー!」
「うん!!絶対!!約束だからね!!」
(回想終了)
今でも、あの言葉を言ってよかった。これは、僕と君がしぬまでにしたい100のことと、それが織りなす、奇跡の物語だ。
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