第2話 後編
デジタル箱媒体プレテアを介する衛星が電磁波攻撃を受け、報道されていた情報は砂嵐に変わり、ノイズが発生した。
デジタル箱媒体プレテアが使えなくなって一年が過ぎ、世界は変革した――
法や規則はあれど、各々が独自性を貫く生活になり、独自に考える時間が増えた。
原始的な生活が流行り、プレテアに縛られていた時間がその生活に費やされた。だが存在価値を問う必要性がなくなった一方で、現代病、プレテア依存症の者が増え病んだ。
「今の時代に楽しいことが見つけられないんだが……。ていうかさ、俺ってここにいるよね?」
かつて楽しければいい、気にしなくても生きていけると言っていた者はプレテア依存症になっていた。
「楽しいはどこにでもある。石ころが転がるように広がっている」
プレテアでしか存在価値を見いだすことができない者にとっては地獄なのだろう。
探究心のある者には楽園で、箱の情報を糧にしていた者は箱に依存し、箱を求めていた――
了
箱入り思想 龍神雲 @fin7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます