第22話 一難去って
バベルが応接間へ案内されとそこには・・・皇女のジュリアとその横にハクとアンナが居た。
「ど・・どうしてお前らがここに・・・」
「はー全くどうなる事かとひやひやしました、バベル様・・・」
~~~昨晩~~~
ハクとアンナは、バベルが心配で城の入り口付近を遠めから観察してた。
すると、一人の女性が城の入り口に近づいてくるのを見てアンナは、ハッとして駆け寄った。
「あの、あなた様を拝見したことが、あるのですが!」
「何者だ、お前はたしか・・・」
「そうです、バベル様と一緒に山で会った者です。」
「なんの用だ」
「ここにバベル様が捕らわれてると聞いて・・・」
「もう来てたのか・・・分かった話を聞こう。」
そう言ってハクとアンナは城へと招き入れられた。すぐにジュリアが皇女で有る事を明かすとアンナはびっくりして跪き、謝罪したが、ジュリアは構わないから話してくれと言った。
そこで、アンナは恐る恐る話し始めた・・・必死にバベルの事を説明し、これまでの経緯を詳しく話した。バベルを助けてくれればきっとこの国の役に立つ事を力説した。
~~現在~~
「全く、この国の皇帝だぞ、口の利き方に気をつけろ。父上の機嫌で、あの口の利き方だけでも首が飛んでもおかしくないのだぞ。」
「すまねぇ・・・」
バベルはアンナの顔を見てこれまでの湧き上がる苛立ちが消えて行った・・・
「こっちもひやひやしたぞ。これで借りは返したからな。」
「あぁ助かった。」
「バベル様ぁ~良かったぁ・・・」
そう言うとアンナはバベルに抱き着いてすすり泣いた。
バベルの強く逞しい手がアンナの頭を優しく撫でた・・・
「ゴホン、感動の再会中に悪いのだが、確認して置きたい事が有る。」
「約束だ、戦にはちゃんと出る」
「そうか、ならばこのハクと言う者とアンナの部屋も用意するからしばらくここに留まれ。」
「そうしてくれると助かる。」
「そういえばあの時、白い大きな虎を連れてたはずだが、あれはなんなのだ。」
バベルがハクに一言
「ハク見せてやれ。」
ボフン・・・
そこには白く、大きな虎が現れた・・
思わず後ずさり剣を抜こうと身構えるジュリア。
「な・・なんだ・・こいつは!」
「我は白虎が嫡男ハクだ!」
「
「どこから説明すりゃーいいか・・・」
そう言って頭を掻きながら説明し始めた。
白虎と友となった経緯、その友に一緒に旅する仲間にハクを、加えてもらうよう頼まれた事。
「なんとあの四聖獣の白虎が友か・・・」
「あぁ、俺の唯一ともいえる友だ・・・」
そして如何にかバベルはこの一幕を乗り切った。もしあそこで暴れておればアンナとの再会はあったとしても、生涯追われる事となり、さらにはアンナの身の危険もあっただろう。
そしてバベルは振り返るのであった。昔の己では在り得なかった事を・・・
やり直すチャンスをくれた女神に感謝を・・・それからの出会いに、友に、仲間に、感謝を・・・今この時に感謝を・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます