『変な家』の内見
水曜
第1話
新しい住まいを求め、エージェントの案内で住宅の内見に足を運ぶことになった。私は都会の喧騒から離れ、穏やかな郊外の住環境を夢見ていた。
最初の内見先は、静かな住宅街に佇む一軒家だった。中に入ると、広々としたリビングが広がり、柔らかな陽光が差し込んでいた。キッチンからは庭が見渡せ、新しい生活がここで始まる予感がした。
次に案内されたのは、モダンなデザインのアパートメント。大きな窓からは都市の美しい夜景が広がり、まるで星空の中に住むような感覚だった。しかし、その一方で隣人との距離や賑やかな街の音も気になるところだった。
最後に見学したのは、築年数の経ったレトロな一軒家。古き良き雰囲気が残り、趣味を追求するスペースもあった。ただし、修繕が必要な箇所も多く、手入れが必要なことが分かった。
私ははどの住まいが自分に合うのかを考え込んでいた。一軒家の静寂と広さ、アパートの都会の便利さ、そしてレトロな魅力。それぞれに魅力があったが、どれも一長一短で、選ぶのが難しい。
「お客様、お悩みのようですね」
「ええ。三つとも悪くはなかったのですが」
「なるほど。なら、ご参考までに。ちょっと変わった物件もありますが。ご覧になってみませんか?」
そう言ってエージェントがもう一つ物件を紹介してくれた。
それは、ひどく不便な場所。
険しい森の奥まったところにポツンと建った小さな家だった。
だが、そんなことも気にならなくなるほどぶっとんだ特徴がこの家屋にはあった。
まさしく『変な家』だ。
普通の人間なら、こんなところに住もうとは思わないことだろう。そう、普通の人間ならば。
だが、私は一目見て心を奪われた。
最終的に、私は自分の生活スタイルや優先事項を考え、最後に紹介された『変な家』を選んだ。迷い込んだ子供が思わず入ってしまいそうなこの佇まい。まさしく私向きの物件。理想の住まいというしかない。これが新しいスタートとなると、魔女である私は期待と興奮に胸を躍らせながら、新しい住まい……『お菓子の家』へと向かって歩き出した。
『変な家』の内見 水曜 @MARUDOKA
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