第30話最悪だ
地下9階の階段も早く見つけて下りた。
ここで空飛ぶコウモリのお出ましだ。
翼を広げた状態だと2メートルもあった。
そんなコウモリモもランプが無双して燃やし尽くした。
コウモリは、何故かよく燃えた。
コウモリからドロップした魔石は、紫の魔石だった。
そんな戦いの後に進んだ先に分かれ道があった。
なんとなく右に行ったら10階への階段があった。
めちゃ簡単に見つけて、何かとんでもない罠があるかも・・・
どうしたものかと俺は、迷った。
気がついたらランプが階段を下りていた。
え!止める間のなかった。
俺も急いで下りる。
ここも安全エリアがあった。
先に進む通路もあった。
ちょっと見てから判断しようと一歩踏み出した。
その時だ。
後方で「ゴゴゴゴピシャ!」と音が響いた。
安全エリアの方だ。
俺は、走った。
「いったい何が起きた」
俺は、嫌な予感がして堪らなかった。
しかし、階段があった場所には、階段が無かった。
「何で・・・・・・」
もう必死に探しまくる。
「ここにあったハズだ。なにかスイッチがあるハズだ。開けるスイッチが」
1時間も探したが何も無かった。
俺は絶望したよ。
これって絶対に罠だ。
めちゃくちゃな残酷すぎる罠だ。
この安全エリアってモンスターの魔法が使えない仕組みだ。
リーゴが、呪文を唱えても植物が芽生える素振りもない。
ランプに炎を吐けと言っても吐けない。
俺の光る剣も発動しない。
だからクーの雷撃で壁も壊せない。
矢尻で何度も叩いて矢尻が壊れても、傷ひとつ付いてない。
めちゃ頑丈だ。
もう最悪だ。
スマホの電波が届くと思ってもいない。
しかし、希望を持ってスマホを取り出す。
え!画面が真っ暗だ。
電源スイッチを入れても反応がない。
ボディカメラの赤いランプも光ってない。
電子機器が完全に壊れた。
それか機能しなくなった。
どっちでもいい話だ。
俺は、生きてやる。
「絶対にダンジョンで死んでたまるか!」
1度は死ぬ覚悟して苦しんだ身だ。
後ろで音がした。
振返ると、仲間が待っていた。
この10階層を制覇したら何か発見があるかもしれない。
その中に脱出手段があるかも・・・・・・もう、それしか希望がない。
生きるために食料と水だ。
リュックの弁当とお茶を節約して数日だ。
ならばモンスターを食うしかない。
血も水のかわりに飲むと決めた。。
だから殺す手前で肉を剥ぎ取って、ペットボトルに血で満たす。
「モンスターを狩るぞ!」
やって来たのは巨大オークが2体だ。
1人を殺さないようにやったが失敗して殺してしまう。
「足を焼いて動け無くしろ。絶対に殺すな」
ランプは、青き炎のブレスで両足を焼き尽くす。
「リーゴ、指を切れ!」
倒れた巨大オークの指を回転する葉っぱが「シュパ、シュパ、シュウ」と切り落とす。
もがく巨大オークは、無視して指を「シュパ、シュパ、シュウ」と切り落とす。
「ゴブとリンは、回収だ。絶対に手に押し潰されるな」
ゴンとリンは、素早い動きで指を回収。
その1本を俺はもらった。
「すべては、安全エリアだ」
リン、ゴン、リーゴ、ユミは、指を手分けして安全エリアへ駆けてゆく。
俺は決心して指に顔を近づけて血をすすりだす。
ゲッ、鉄の味だ。
我慢して「ゴクゴク」飲んだ。
ああ、嫌な味だ。
遠くで「ギャー、ギャー」とゴブルンの声が聞こえた。
「巨大オークを倒せ!」
その合図でクーが頭に雷撃を放つ。
ランプも同じように青き炎のブレスで焼いた。
その時、俺が持っていた指は消えなかった。
俺が所有者と認識したのかも・・・
オーは、四節棍を首に掛けて魔石を拾う。
「安全エリアに帰るぞ」
安全エリアには、9本の指があった。
「やっぱ、ここの指も残るんだ」
ゴブに持たせたままで通路に居たら・・・
後で試そう・・・
矢で突き刺してランプの体の炎で焼いた。
ああ、「ジュッ」と肉が焼ける臭いだ。
何度もひっくり返して焼いた。
そしてナイフで切って、一口食らう。
味は肉の味だ。美味くないが食えない程でもない。
これで生きる希望がみえた。
あとは、この仲間の飯をどうしたらいい。
あ!
魔石は、モンスターの命の源だ。
食って良いぞと命令すれば食うかもしれない。
リュックや無限バッグから魔石を取り出す。
「お前ら好きな魔石を食って良いぞ」
あ、本当に食らいついた。
大きな魔石は、オーとランプが吸収して徐々に透明になってゆく。
ゴン、リン、ユミ、リーゴ、クーは、小さい魔石を持って吸収。
リンなんか右、左とチュチュして吸ってる。
ああ、早く気づくべきだった。
「ブヒブヒ、ブー」
「ギャー、ギャー」
「ブヒブヒ、ブー」
「ギャー、ギャー」
「ギャー、ギャー」
「ギャー、ギャー」
最高にいいって言ってる。
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