第23話戦い9




スマホにメールが来たようだ。


なんと冒険者ギルドの三山さんだ。

噂では副ギルド局長になったらしい。


そんなに偉くなった人が俺みたいな人間に何の用だ。


内容は、青い魔石を大量に取って来てほしい。

そして、出来れば大きな魔石もほしい。

ああ、勝手なことばかり書いてあった。

それって『ほしい』でなく命令だよね。


ああ、地下5階と地下6階で頑張るしかなさうだな。



ブツブツ文句を言いながら地下1階の安全エリアに下りた。

あ、準備中の自衛隊だ。


あれ、変だぞ。

昨日と違って無視だ。

何か上司に言われたに違いない。


無視しながらチラッとこっちを見てる。


ゴブ、リン、リーゴ、ユミを召喚だ。


ゴブリン4人が現れたぞ。


「最短ルートで地下5階まで行くぞ」


「ギャー、ギャー」


「ギャー、ギャー」


「ギャー、ギャー」


「ギャー、ギャー」


4人は駆けだして速度を上げてゆく。。

負けるものかと俺も走る。


あ、体が軽くなったように走る足が速いのが分かる。


なんでと思いながら走る。


1階も戦う事もなく2階へと進んだ。



2階でも戦いはなかった。



3階でもなかった。



地下4階で今日初めての戦いだ。


リンが力任せに振ったヌンチャクが首に命中。

頭が「スコンッ」と落ちてオークは消えた。


ゴンの骨トンファーも凄い。

右骨トンファーがオークの腹を切断。

その瞬間に消えるが鉄球が向かってくる。


その鉄球を左骨トンファーが打ち返す。

その鉄球は、オークの顔面に当たり陥没。

呆気なく消えた。


ゴブが突然に「ギャー、ギャー、ギャー、ギャー」と叫びだす。


俺は、ゴブの異変に気づく。

体全体が青白く光って120センチの身長がグングンと成長。

「ボキ、バキ」と骨がキシム音まで聞こえだす。

筋肉が「バチバチ」と引き裂かれて、そして再生する様子に驚愕しかない。


どれだけ大きくなるんだ。

心配しながら見守るしかない。

なんと身長が160センチになってるぞ。


俺と同じ身長だ。

あんなにちっちゃいゴブが、信じられない。

マジに驚くしかない。


こんなの初めてだ。


その間も戦いは続き、危険を感じたクーが雷撃でオークを全滅させた。



この身長が大きくなった現象って、進化したと考えるしかない。


ゲーム世界でゴブリンが進化したら『ホブゴブリン』になるってパターンだ。


リン、リーゴ、ユミが口を開けた状態でゴンを見てる。

俺と同じで驚いている。



「ゴン、何があった」


「ギャー、ギャー、ギャー、ギャー」と叫ぶゴン。


何を言ってるのか分からん。

喜びが2倍って意味かも・・・


考えられるパターンは、ゴブリンが弱いモンスターと思われる点だ。

それに対してオークは、強いモンスター的なイメージだ。


だから弱いモンスターが強いモンスターを倒すと、簡単にレベルアップするって考えだ。

これしか考えようがない。


ならばリン、リーゴ、ユミも進化するハズ。


1番進化して欲しいのは、リーゴだ。

リーゴが進化したら強くなって頼れる存在になる。


ヨシ、リーゴを中心で戦って進化させよう。





新たなオークが現れたぞ。


「リーゴ!植物を呼び出して全滅させろ。他のメンバーは、悪いが防御に徹してくれ」


リーゴの呪文が終わるまで1分程度。


クーの盾に鉄球が「ガンッ」と当たり下に落ちる。


リンは、ヌンチャクでオークの手を叩く。

痛がって後方にさがる。


成長した植物が葉っぱ攻撃を開始。


「ビュンビュン」と回ってオークの首の頚動脈を切断。


真っ赤な血が噴水のように飛び出す。

それも5つだ。


残ったオークは植物が巻きつき「ギュウギュウ」と締め付ける。

ようやく戦いは終わった。




それは、地下5階でもリーゴを中心に戦いを繰り広げる。



ああ、リーゴの植物が最後のウィル・オ・ウィスプを倒した瞬間に、それは起きた。


「ギャー、ギャー、ギャー、ギャー」と叫びながら体を光らせる。


元々身長100センチのリーゴは、140センチの身長になった。



それ以降の呪文は、「ギ、ギ」で植物が成長。

わずか4秒だ。


植物の大きさも2倍に成長。


葉っぱ攻撃も目に見えない速度で攻撃をして威力も2倍。


「スッパ、スッパ、スッパ」と斬られて消えるオーク達。



「よく我慢した。好きなように戦っていいぞ」



ゴブの骨トンファーの攻撃も当たった瞬間に爆発が起きる。

オークの体は、完全に消え失せる。

残ったのは魔石だけだ。



5階層を制覇した時には、リンも進化。

やっと本来のヌンチャクの大きさだ。


それにゴブと違って細くて筋肉モリモリだ。

動きが半端ない。


振る勢いに磨きが掛かった感じで、兎に角振るのが速い。

一突きで風穴が開き、一振りで切断してしまう。


流れるような動きだ。



それに対してゴブは違う。

動きはいいし、1つ1つの動作が力強い。

しかも、力で攻めて力で防御。正に一体化した感じだ。



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