第17話オーク
1階の厳重に閉ざされドアの前で三山さんが立っていた。
「今日、ここは貸切よ。君の好きなように戦ってきなさい。これがモンスターカードよ」
これがオークのモンスターカード。
太ったおっさんのように見えるが顔は豚だ。
裏を見る。
HP40
MP 2
なんだMP2もあるじゃん。
そろそろダンジョン行くか、改めてドアを見直す。
あ、あれってカメラだ。
「顔認証をします。右に移動してください・・・顔認証完了・・・どうぞお入りください」
「探索手続きが完了したようね。速く行きなさい」
あれで探索手続きが終わったらしいぞ。
三山さんに急かされながらドアが開いたので中に入る。
ドアはゆっくりと閉まったよ。
広いエリアの奥にダンジョン出入り口があった。
その階段を1段1段、慎重に下りる。
違うダンジョンでオークが出るダンジョンだ。
どうしても緊張してしまう。
ここが安全エリアらしい。
5枚のモンスターカードを「召喚」と唱える。
モンスターの中でめちゃ目立つオーク。
ゴブリン達は、なんだコイツはと見ている。
「オークのお前は、オーだ」
「ブヒブヒ、ブー」
それがオークの喜びらしい。
バッグから
「ブブブ、ブー」
たぶん、これって何だと聞いてると思う。
なのでノートパソコンを出してクリックして動画を見せる。
ああ、ゴブやリンも一緒に見てるぞ。
「ギャー、ギャー」
「ブヒブヒ、ブー」
「ギャー、ギャー」と反響。
「リーゴ、来るんだ。そして杖をわたしてくれ」
リーゴは、戸惑いながら杖をだしてくれた。
その杖の上部分の凹みに濃い緑の魔石をはめ込む。
やっぱ安定しない。
ちょっとした衝撃で転げ落ちるに決まってる。
この魔改造が成功したら植物魔法は、2倍の効果を発揮するだろう。
だかた魔石を杖につける必要がある。
接着剤でつけるのは、悪い手だ。
黄色の魔石は、1年も使い続けると電気がなくなって透明になる。
だから交換が必要だ。
なので釣り糸でグルグル巻いてゆく。
これなら魔石の色が確認出来る。
糸は
やっと巻き終わった。
ブンブン振り回しても魔石は、落ちない。
これなら大丈夫だ。
リーゴに手渡す。
「ギャー、ギャー」と喜ぶ。
よっぽど心配だったようだ。
あ!オーが映画の場面を再現してるぞ。
1時間近く見たので「そろそろ行くぞ」
「ブヒブヒ、ブー」
「オーを戦わせるから手出しするなよ。分かったな」
「ギャー、ギャー」
「ギャー、ギャー」
「ギャー、ギャー」
「ギャー、ギャー」
「今回は慎重に行くからな」
すぐに戦いが始まった。
向かってくるオークにオーが四節棍を投げつける。
四節棍が体にまとわりついて転ぶオーク。
「ボコ、バコ、ボコ」と蹴りまくるオー。
オークは消えてしまった。
あの映画鑑賞は何だったんだ。
俺は駆け寄って、黄色の魔石を見て感動してた。
1個4万円だよ。
1個300円の魔石とは、全然違う。
大きさも大きい。
手探りで背中のリュックに入れる。
何故そんなに高い金額なのか、それにも訳があった。
魔石電池にするに材料、賃金、輸送込みで1万円。
魔石電池の販売値段は、10万円~12万円。
利益率が半端ない。
▼旧電気料金1kWhあたりの目安単価
・北海道電力 45.03円
・東北電力 39.41円
・北陸電力 37.63円
・中部電力ミライズ 28.72円
・関西電力 26.27円
・東京電力 39.03円
・中国電力 39.74円
・四国電力 38.09円
・九州電力 26.60円
・沖縄電力 46.24円
▼世帯別1ヵ月あたりの平均電気使用量
一戸建て(kWh/月)
1人の場合 219
2人の場合 331
4人家族の場合 436
1人暮らし一戸建て219×関西電力26.27=1ヶ月の電気料金5753円
5753円×12ヶ月=69036円
1人暮らしなら4年~5年で電池切れを起こす。
なので予備の魔石電池をセットして電気切れ前に切り替わるシステム。
売る側も使う側もメリットしかない。
それに旧電池は、強い衝撃や劣化で発火。
魔石電池は、強い衝撃を受けると壊れキラキラと消滅。
なので何の問題もない。
魔石交換で何度でも魔石電池を使用できる。
あ!「ドンドン」とオーが走りだす。
ゴブリン達より遅い。
あの巨漢だから仕方ない。
またまたオークがやって来た。
今度は振って腹に命中。
崩れるオークに向かって容赦なく四節棍で叩く。
「ブヒーー」最後の叫びだ。
そして消える。
やってきたオークに向かった投げる動作。
また投げつけるのかと見ていたら最後に骨を「ガツン」と握った。
そのまま最大限まで伸びる四節棍。
ちょうどオークの顔面にヒット。
あまりに凄い衝撃で顔が陥没。
そのまま消えるオーク。
成る程、最初の攻撃は、これをしたかったらしい。
「今度は、ゴブリン達の戦いが見るぞ。だからオーは見学だ」
「ブヒブヒ、ブー」
ゴブがオークのパンチを骨トンファーで受け流す。
あのパンチを受けたら、やばかった。
お返しに左の骨トンファーが足にヒット。
「ブヒー」と崩れる。
アゴに骨トンファーのアッパーが襲う。
そのまま後方に倒れて追いうちに骨トンファーが顔に強打。
そのまま消えるオーク。
「ゴブ、でかしたぞ」
「ギャー、ギャー」
次の戦いはリンだ。
振り下ろされるパンチをヌンチャクで「ボコン」と振って叩く。
痛がって引っ込めたタイミングで後ろに回り込む。
オークの油断だ。
そして足にヌンチャクを叩き込む。
これは痛い。
そのまま後ろに倒れる。
しかし、振り上げるヌンチャクが後頭部にヒット。
倒れる勢いと振り上げる勢いで、瞬時に消えるオーク。
なんかリンも凄いぞ。
ゴブリンは、弱いモンスターと思っていたのに認識を改める。
次はユミの戦いだ。
遠くから矢で目を狙って放つ。
目を貫通して呆気なく消えるオーク。
リーゴが「ギャー、ギャー」と騒ぐ。
俺の番だと言ってるようだ。
戦う前からやる気まんまんだよ。
「ドン、ドン、ドン」と走って来るオーク。
それに合わせて呪文を「ギー、ギー、ギー、ギー」と唱える。
オークの前に植物が急激に成長。
いつもの倍以上だ。
あ、首に巻きついて吊るし首に・・・そのまま動かなくなって消える。
やっぱ魔石で魔法が強化されてる。
俺の判断に間違いなかった。
黄色い魔石を拾う。
1個4万か、もう笑いがとまらないぞ。
俺の顔はニタニタしているに違いない。
スマホで通路を確認。
事前に教えてもたった所からダウンロードした地図だ。
冒険者番号と暗証番号でやっと開くサイトだ。
その暗証番号も無効になったと知らされたよ。
1回こっきりらしい。
「次の通路は右だ。左にオークが居ても右が階段の最短ルートだ。命令違反は許さん」
シブシブ右に行くゴブリン達とオー。
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