幼馴染に恋愛経験ないことを馬鹿にされたので、幼馴染の妹と付き合いだしたらギスギスし始めた件
ヨルノソラ/朝陽千早
一章
プロローグ
突然ですが、私──
意中の相手は幼馴染の男の子です。
ある事をキッカケに彼への恋心を自覚してからは、一途にこの気持ちを育ててきました。
そんな私ですが、今、とある問題に直面しています。
事態が大きく急変したのは昨日のことでした。
「あはっ、まだカノジョの一人もできないんだ? もう高二だよ? さすがに危機感持った方がいいんじゃない? 独り身ルート真っしぐらじゃん」
私はいつものように、彼に少しキツイ言葉を浴びせていました。
もちろん悪気はありません。
ただ、彼に対する気持ちを自覚してからどうにも拗らせてしまって……。
ま、まぁ、それは置いといて、この後の彼から発せられた言葉が衝撃的なものでした。
「カノジョなら出来たよ」
「え? 今なんて」
「
「いや、いやいや、意味わかんないんですけど」
彼はあっけらかんとした様子で、目も合わせてくれません。
「紬って、私の妹の紬……?」
「ああ、そうだよ。だからもう俺に突っかかってくるのやめてほしい」
「つ、突っかかる?」
「いつもいつも馬鹿にされて嫌だった。昔は美鶴と一緒にいる時間が一番楽しかったけど、今はお前といる時間が一番辛い」
私の頭は真っ白。
突然すぎる展開についていけませんでした。
「もう俺に構うのやめてほしい。紬ちゃんも、俺が他の異性と一緒にいたら嫌だろうし」
「…………」
「じゃあ、さようなら」
「……っ! 待って、なっくん!」
私は無我夢中で、去り行く彼の手を引き止めます。
「勝手に触らないでほしいんだけど」
「いや、えと……」
彼は私の手を冷たく振り払うと、目の前から立ち去って行きました。
これが昨日あったことの一部始終です。
私はこれからどうすればいいですか……。
一途に片想いしていた幼馴染に、カノジョが出来てしまいました。
しかもそのカノジョが私の実の妹。当の私は、彼に完全に嫌われています。
確かに私の言動は褒められたものじゃなかったと思いますけど、でも、決して悪気があったわけじゃなくて……。
と、とにかく!
彼と元の関係……いや、彼にとっての大事な人になりたいんです。
というか、私の妹が彼と付き合ってるのは許せません! どうすればいいですか⁉︎
『人の関係を妨害することは倫理的にも道徳的にも問題があります。また、他人の感情や人生に干渉することは、彼らの尊厳を侵害する可能性があります。そのため、そのような行動を取ることは推奨されません』
決死の思いで流行りのAIに質問するも、私が求めている回答はもらえず。
「あああああもおおおおおどうしよおおおおおおおお⁉︎」
私の悲痛な声が、しばらく部屋の中を木霊するのだった。
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