火星人コンプレックス
逢坂 純(おうさかあつし)
火星人コンプレックス
自分の信用や信頼の沽券に関わる出来事の告白と、今回のカクヨムさんの「黒歴史放出祭」と言うのは、何のプラスにもならない全くくだらないことのように思えます。まだ若いうちなら「若気の至り」と投稿しても発表しても、許されるだろうと思いますが、そういうわけにはいかない事情の人もいるのだろうと思われます。審査員の伊集院光さんは「自分の黒歴史を笑いとお金に換えています」と言っているけれども、「それはあなただから、できることでしょーー!」と切実に言いたいです。それができるということはそれだけ、そういう才能に秀でているということだからでしょうー!と思うのです。この僕の黒歴史の話を誰かが聞いたとして、僕は信用以上の何物かを得られるのでしょうか?もしくはそれによってより大きな信頼を勝ち獲れるだろうかと考えてしまいます。
それで、今日は何を書こうかと思ったのですが、今日は僕が高校を出て一人暮らしを始めてすぐした事の話をしたいと思います。
高校を卒業して、田舎を離れ、他県の大学で一人暮らしをするようになった僕は大学に入学する前に始めにやったことは、整形外科に行って、法経手術をしたことでした。
正確に言えば僕の愚息はまだ火星だったので本当は手術の必要は無かったのですが、その時の世相は、テレビでは法経手術のCMがバンバン打たれており、コンプレックスの塊だった思春期の僕は、親元を離れたらすぐさまこの手術をしようと考えていました。
手術代は5万5000円。高校生時代、アルバイトをして貯めたお金のお陰で、まあまあ、お財布に優しいと言えたかも知れません。
いざ手術台に乗ると、医師は僕の愚息に麻酔を掛けました。そして施術をしようとしたのですが、まだ高校を卒業したばかりの元気有り余る僕の愚息は、麻酔にやられてもビンビンに元気になりました。すると、帽子を被っていた僕の愚息の亀さんは手術を必要としないくらいの露出度になりました。
「ちゃんと剥けてんじゃん」
医師は僕の愚息を見て、そう言いました。
しかし、僕は手術を続けてもらいました。
当時の僕は、大変なコンプレックスがあったうえに、相当見栄っ張りだったのです。
手術は30分程度で終わり、無事手術は終わったのですが、僕の心は何故か晴れないままでした。その原因は、僕のコンプレックスがさせた、やらなくてもいい手術のせいだったように思えます。
それとも、不完全なものを許さない風潮にあった時代のせいだったのでしょうか?
火星人コンプレックス 逢坂 純(おうさかあつし) @ousaka0808
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