名古屋行進曲

羽弦トリス

第1話車座社会

日本人は車座社会とよく言うが、名古屋は車座社会の最たるもの。

他県民は相手にしない。

中々、仲間にさせてもらえない。しかし、一旦馴染んで、仲良くなったらこれ以上頼もしい県民は無い。

24年前に名古屋に出てきたが、苦労した。

バイトをして金を貯めて、アパートに一人暮らしを始めて、翌年、就職して会社でも随分馬鹿にされた。

九州の田舎者と呼ばれ、毎日怒鳴られていた。

だが、入社3年目辺りで仕事ぶりを評価され、直ぐにその仕事の責任者になったので、会社では飲みの誘いが引っ張りだこ。


これは、勘違いかもしれないが、名古屋の女の子は、よくお母さんと外出している。

母娘仲が良いから、結婚するのは一大イベントになるので、名古屋はハデ婚と言われるくらい、結婚式にお金をかける。


東横キッズが問題視されると、名古屋田舎者は栄のドンキ横キッズとして模倣している。

ダッサイな。

僕を九州の田舎者と言うが、名古屋も何も遊び場所もない、広大な田舎ではないか。


今の会社に1年半働いている。

もう、転職は難しいと考えている。だが、今後、障害年金の額が7万円減る。

どうにか、節約しなければ。

週に2回ほど、居酒屋に行く。3000円以内で飲んでいる。

名古屋は安くて美味い店を探すのに苦労した。

大阪なんかは、多いと思う。

取り敢えず、名古屋は営業が一番難しい地域。

この前、隣で飲んでいた営業マンが嘆いていた。

さもありなん。

だって、名古屋は超車座社会なのだから。

今日は花金。

馴染の店で、一杯引っ掛けてから帰ろうか。

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