本を片手に異世界転生。魔導書ですか?いいえ、漫画本です!〜戦略級漫画士、立ち読みのヨミが世界を変える?〜
ゴシ
第1話 神様ですか?
歩いても歩いても森、森、森。探せど探せど人も動物いない。
「なんで俺水飲みたいだけでこんなに苦労してるんだ?てかここどこだよ。はぁ。助けてよー、お母さーーーーん!」
森のど真ん中で空に向かって俺は叫ぶ。だが叫んだところで状況が変わるわけもない。お母さんは近くにはいないのだから。
「コンビニもない、自販機もない。なんでこんな時に冷蔵庫の中切らしちゃってるんだろう。部屋帰ろうかなー......いや、帰っても漫画しかねーし。飲み物探そ」
話す相手もいないから俺は1人ぶつくさと呟いてみるが、ただただ喉が渇くだけ。
異世界に転生されるってこんなスタートなの?もっとこう勇者が必要で城の魔道士たちが召喚したとか、貴族の家で赤ん坊からスタートしてぬくぬくとした家で成長して学校に通い始めるとか。漫画の主人公って色々優遇されてるよね?考えてよ神様ーーー!
「ただの浪人生がいきなり勇者になるとか無理な話か。あーもー知らん。寝よ寝よ」
近くの木陰で(というか森ばっかだから木陰しかないんだけど)俺は手に持っていた愛読書『週間少年サタデー』でも読みながらここまでの
俺、
「黄泉よ。おーい、黄泉よ」
.........?
「黄泉よ、聞こえとらんのか?おーい、わしの話を聞いて欲しいんじゃが?」
.............いや、聞こえてて無視してるんだよ。
だって怖いじゃん、1人で住んでる家の中で話しかけられるとか!
周り誰もいないし、でも俺の名前呼んでるし。
「……」
幻聴、幻聴。漫画読みすぎだな俺。妄想入っちゃってる。怖い怖い…………
「…………だぁーーーーー!」
「ぎゃあーーーーーーーーーーー!!!」
漫画を読み続ける黄泉だったがページを開いた瞬間、白髪白ひげの白衣爺さんが本から飛び出してきたのだった。
「わぁ、嘘!?。えぇ、何?だ、誰?」
「わしか?わしはお前らが言うとこの神じゃよ」
神?神様?え?なんで?妄想?
「えっと…………漫画本の神とかですか?」
「はぁ?何言っとるんじゃ……お主は頭がわいとるのかの?漫画本の神て?そんな馬鹿な神おらんじゃろ、ははははは」
半透明な神を名乗るじじいにバカにされ、少しイラッとする黄泉であった。
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