5.Humility


俺は、自分を明るい人間だと思っている。

昔からムードメーカーとして生きていたし、何をしてもずっと俺は俺で生きていけていたから。


だから、今俺が活動しているこのグループ。

idealsでも、俺はムードメーカーとして、生きている。

だから、性格診断で打たれ弱い性格だと出た時、ぞわりと鳥肌が立った。

バレたと。しかし俺は変わらない態度を貫いた。

ムードメーカーとしての俺、☆☆として生きていくために。


しかし、その性格診断のせいで、俺の本心や本性といった部分が皆にバレたような気がした。

俺は楽天家なんかではないとバレた気がした。


震える手。それを握りしめてくれるメンバー。

診断終わりにパニックになった俺を慰めてくれるメンバー。

「☆☆、大丈夫、落ち着いて」

リーダーの○○さん。俺が心から尊敬する人。

「で、でも、俺、俺、無理で」

「大丈夫、お前はお前だよ」

俺の弱さを受け入れて、引っ張ってくれるリーダー。

俺はこの人のことが心から大好きだった。


「自分も貴方みたいに明るくなれたらな…(笑)」

ふと、昔貰ったコメントを思い出した。

ありがたくて「なれるよ!!!!!!!」なんて返したっけ。


そのアカウントを見つけた。

またコメントしてくれていた。


「憂鬱なことが多くて最近は落ち込んでばかりいるけど、こうやっていつでも元気な☆☆を見ていると元気を貰える」

彼のコメントを見て、鬱病だと診断された日を思い出した。



「4人に聞いて欲しいことがある」

「うん、どうしたの?」

真ん丸の目の♡♡。

「この前話してた、自主制作の話覚えてる?」

「じしゅせいさく?」

首を傾ける◇◇。

「他说"我们一起创作一首歌吧"」

説明する♪︎♪︎。

「あ、あれか、曲作るやつ」

「それか!あ、ソロ曲作ってみようかって話出てたっけ?」

さすが♡♡、話が早い。


「そうそれ、そのアイデアとしてさ…」

息を一度止め、そして、吸い込んでから吐き出した。

「俺の鬱についてを曲にしたい」


黙り込む4人。

◇◇へ説明しようと口を開くと、◇◇は首を横に振った。

「あなたが何を言いたいかは分かったから……でも、大丈夫?」

優しい声色。

堪えていた涙が溢れ出た。



「家族にも言えなくて、お前らにしか言えなくて」


「昔から不安を抱いて生きていた」


「でも、それを「鬱」だと名前にして貰えてよかったと思った」


「今はもうあの憂鬱に襲われることはない」


「でもたまに思ってしまう」


「またあの時の俺に会いたいって」


「あの時に何を考えていたかを思い出したいと思ってしまう」


「お前達が支えるためにかけてくれた言葉を思い出すために」


「何を心の拠り所にしてたかを思い出すために」


「それを曲にして」


「ファンの子に贈るために」

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