運命の人

ひら

うんめいのひと


「それで、恋の感覚がバグっちゃったんですね」


そう同期に楽観的な感じで言われたのが約3ヶ月前。


確かお互いに恋の話をしていたんだった。


そういえばきさきさんて彼氏いないんですか?から始まりの、「中学生以来まともな恋ができてない…」と呟いたことが原因だった。


何で?


そう言った同期は結構興味津々な顔をしていたと思う。


何故━━━その問いに対して私はこう言った。


「その人がすごい格好よくて美形で、学校一のモテ男だったからだよ」


簡単に言えばそうだった。

そうして場面は冒頭に戻る。


1人の女が恋をして、どうしてもその人が忘れられない。到底ありがちな話である。


でも、この話には続きがある。


「その人と両想いだったから」


と言ったら?話は少し違ってくる。


歩けば誰もが振り返るような人物と、学年の大半が好きになっていた人物と恋をしていた。


そんなこと、十中八九忘れられるはずがない。


今でも鮮明に覚えている。彼の声も、仕草も全部。


「運命の人などいない」という人もいる。


しかし、「縁のある人とは何度も巡り会う」という言葉は本物だと信じている。


とある日、何故だか無性にとある場所に行きたくなって、そこに行くと忘れられなかったその人もいて、偶然その人と再会したのだ。


何かが私達を引き寄せてくれたのかと思う。


あの人は、私の恋の感覚を壊したのでないと、寧ろ私の中にある「恋」の感覚を呼び覚まし、研ぎ澄ましてくれたのだと思う。


そういう人に出会ったら、是非無下にせず、大切にしてあげてほしい。







#エッセイ

#恋愛

#大切な人

#運命の人

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運命の人 ひら @misonodayo

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