サクラサケ

家猫のノラ

第1話 幸せな呪い

ゆきと一緒に行きたい」


奈恵なえは嘘をつかない。無理なお願い事もしない。

脳が否定するよりも先に、脊髄がそう反応してしまったような感じだ。

私はこの言葉を実行できる。

あの日からよく分からない確信が私の脊髄に居座りついた。

きっとこれは呪いだ。

きっとこれから先もがき苦しむ。

ああなんて幸せな呪いなんだろう。

今やもう、全身の血が叫んでいる。


奈恵と一緒に、S高校に行けるんだと。

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