第6話 神、ヨハネ

ラルフは芝生に横になって雲を見ていた。高額な授業を受けていること、母親に対してとても申し訳なく思った。


「君はもっと神について知らなければならない」

一年前、ラルフはにそう言われた。


「訳あってね、私はこれからウルとヨーロッパの行き来が難しくなるんだ、ウルでいっぱい仕事を任されていてね」


だから、君には申し訳ないが自分で神学を学んでくれると助かるんだよ。


「無理だよ。僕のうちにそんな大金ある訳ないじゃん」


「無理にとは言わないよ。ただこの前の秘密を知る人間は君だけなんだ。君には私たち天使の協力者になって欲しいんだよ」


「何で僕だけに教えてくれるの?」


キャシーは少し言い淀んだかのようのに見えたが、すぐに笑顔を取り戻し、

「君は私にとって人間界で唯一の友達だからさ。そして君は信用に足ると思ったからさ。現に私が言ったことを秘密にしてくれているしね」


ラルフはキャシーにそう言われ、とても嬉しくなったが、そんな喜んでいる自分を見られるのを恥ずかしく思い、どうにか口角が上がらないよう気をつけた。


「そうだ、キャス、君が無理でも、イブならどうだい?イブも仕事かい?」


「うん。そうなんだ。イブもとうぶんこっちに来られそうにない…」


「そうか、わかったよ。何とか神学の授業を受けてみるよ」


すまないね、キャシーはそういい、ウルに帰っていった。

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