第2話 ウル

空中国家、'ウル'はギリシアの面積の8倍の大きさを誇り、その土地は地上の大陸同様、山がその6割を占め、残りが川や湖、平原となっていた。ウルのような空中国家は他に存在しない。ウルだけがただギリシアを中心としたヨーロッパ周辺を漂い続けている。


天使族はそこで人族と同じ生活をしていた。牛を使って畑を耕し、商人は商いを行う。だが人族と決定的に異なるのは彼らが民主制を敷いていたことだ。彼ら天使族に'王'はいなかった。


人族はウルに立ち入ることができない。それはひとえに上空200mを飛ぶための翼がないからだ。

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