8. それは、応急措置という名の心の闇
ひとの心は難しい。
よく、思うだろう。
「自分よりも大変なひとはいる」
そう思うことで、自分の「つらい」を、「そんなもんじゃない、自分はまだまだだ」
だとかと、感情に無理やり言い聞かせ、蓋をする。
そうすることで、心に応急措置という名の「鎖」をしている。
けれど、鎖はいずれ錆びるものだし、応急措置は、その場しのぎでしかない。どちらにも限界がある。
その限界が、ひとの心と体を髄まで蝕み、果てには壊してしまう。
それとともに。
鎖は、壊れたからと勝手に消えてくれるような、自然治癒の効能はさほど持ち合わせていない。
「時が解決」なんて、してはくれないから、子供が大人になっても、苦労しているのが現状だろう。
必要に想うのは。
「理解者」がいること。
たった一人でも、「つらい、苦しい」と思うことを肯定してくれるひとがいること。それも、できるだけ身近に。そして真からの心で。
それだけでも、かなり治癒になるものだ。
闘っているのは、なにも本人だけなわけはないのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます