あの夏の日

霧雨魅魔

第1話 はじまり

ピピピ

アラームが鳴ったようだ。重い瞼を擦りながな目を開けるといつもと変わらない部屋と昨日寝る前に書いたレポートがあった。

「はぁ...」

外ではもう蝉が鳴いている。騒がしいなと思いつつも朝ご飯の準備を始める。

「今日はご飯と味噌汁だけでいっか」

そう呟くもやる気が起きない。ただ腹は減った。寝ぼけ眼を起こしカーテンを開ける。

ふと時計を見ると6時30分。まだ時間はあるなと思いつつも今日が終業式の日だと思い出す。体の目が覚めた頃、朝ご飯の準備を始める。冷蔵庫から冷凍ご飯を取り出し、インスタントの味噌汁を作る。そういえば味噌汁って御御御付けって呼ばれてたんだけ。確か室町時代から始まったって聞いた気がする。大して美味しくもない朝食を済ますと学校に行く時間になった。いつも通りの通学路を歩いていると

「冬馬ぁおはよ〜」

後ろから声を掛けられた。振り返ると見覚えがある顔があった。三門修。小学校からの馴染みにして腐れ縁。

「修、おはよ」

「明日から夏休みだな。お前は何する?」

「あぁ夏休みか、うーん特に決まってない」

「じゃあさ、一緒に海行かね?」

「なんでお前と行かなきゃいけないんだよ」

「あー違う違う。実はさ元々家族で行こうって話だったんだけど親父が仕事入って行けなくなったからもう向こうに宿も取ってるしキャンセルするのも勿体ないから一人呼んでいいって言われたから。」

「あーそゆこと。でも折角の家族水入らずの旅行なんだから行ってこればいいじゃん。」

「いや~それがさキャンセル料がバカ高くて」

「はぁ〜仕方ない。いいよ。」

「本当か!また後で予定送る。」

「はいよ〜」

そう言う終わる前に修の姿は見えなくなっていった。

教室に入ると一人の女子が声を掛けてきた

「あ、冬馬おはよ〜」

「おはよ夏美。今日は一段と機嫌がいいようで。」

「そうだよぉ明日から夏休みだもん。ってなわけで遊び行こ」

「え、やだ」

「じゃあどこi...えぇ〜!」

「だって面倒くさいし」

夏美は明らかに嫌そうな顔をする

「じゃあ私以外と誰と遊ぶって言うのよ」

「修と」

そんな会話をしてるうちに担任が入ってきた。

「ほら〜席つけ」

クラスのみんなが一斉に席につく。最近の夏は暑いから体育館に集まらずに終業式はリモートで行っているから楽だ。そう考えているうちに終業式が終わった。10分間の休憩が終わると成績表を配る時間になった。中身はまぁ普通くらいだ。良くも悪くもない。あとは掃除とか夏休みの注意とか聞いてる間に放課後だ。スマホを見ていると修から連絡が来た。見ると旅行の予定のようだ。これを見ながら準備を進めるとしよう。そう思いながら帰路を辿る。そうして俺の夏休みが始まった。





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あの夏の日 霧雨魅魔 @kirisamemima

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