治癒魔法使いの僕、知らぬ間に物理最強になってました。

風で翔ぶ

第1話 始まり、、、1


僕にはやるべき事がある。まずは火起こし、そして洗濯。


この世界では、神は突然魔法をもたらす。ある人は風呂上がりに。ある人は掃除中に。火魔法や水魔法、風魔法も存在する。どうやら神は与えるのが好きなようで、この世界のだいたいの人は大人になるまでに魔法を与えられる。その魔法の中で特別なのが、治癒魔法。数ある魔法の中で唯一、人に与える魔法だからだ。


「おーい、プラム、火起こし出来たかー?」


そう僕を呼ぶのは兄のカルトラ。


「もうすぐだよ兄さん」


兄の魔法は水魔法。兄さんは何をするにも水が伴う。水魔法はそういうもの。土魔法は常に手が土だらけだし、風魔法は髪の毛ボサボサ。もちろん風に吹かれるから。


今父さんと母さんは働いてて、僕だけ家で火を付けれる。兄さんは論外だ。


「兄さん、洗濯して欲しいんだけど」


逆に兄さんは洗濯が得意。水魔法だからね。


使い古した火打石で枯葉に火を付ける。そういえば今日、麻の服だったんだっけ。


そう思った時、枯葉に付けた火が風に吹かれてこっちに来る。まずいと後ずさるが麻は燃えやすい。死んだと思った。服が熱い。全身が熱い。そして僕は火達磨になった。


5分後、僕の目の前は真っ白になった。

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