第15話 ギルドダンジョンのボス

 

~~グレートドラゴン討伐直前~~


  やんやんさんの掛け声から皆が戦闘態勢を整える。


「みんなースクロールポーション全開でいきましょー!」

「料理出すんで皆さんバフつけて」

ちゃー・すーさんがバフ料理を設置する。


料理人の作る飯は様々なバフ効果がつく、防御UPや攻撃UP

魔法攻撃UPに速度UP。ボス狩り前の必需品だ。


「ちゃーさんありがとう!」

「おぉー」

「あちし、魔法少女になる!」


「ワタシ、ドラゴン倒してステーキにするアルネ!」

「ピイィヤアァアアアオオオ!」


まずはきんぐさんがタゲを取りタゲが安定するまで、火力陣は待機。

ここで一斉に攻撃するとタゲがあちこち移って修羅場と化す。


「そそろいいですよー皆さんレッツゴー!」

きんぐさんの合図で皆攻撃開始!

「ヘルファイアー!」

「トリプルクリティカルアロー!」

「暗雲転身」

「大木大切断!」

ロックスも攻撃を開始する、その直後ズバババババッバと凄いクリティカル音とダメージを上げていく。高火力と高攻撃速度によってダメージ表示がバグってるんじゃないかというくらい連打される。


「削れ方やばっ」

「はやっw」

あっという間に80%・・・70%と減っていく。

すぐさま50%手前まで来たところできんぐさんから声がかかる。

「一旦皆さん下がってください」

皆下がって雑魚召喚に備える。

グレートドラゴンが一旦うずくまり力をため込むモーションに入る・

「雑魚きます、まずはタゲ取るんで、漏れたのピーナツさん。」

そしてグレートドラゴンの咆哮が響き渡り、

ドドドドドドドと全方向から雑魚の群れが押し寄せる


ーグランドヘイトー

ー寒いジョークー

「電話にでんわ!」

そして押し寄せた群れが凍りつく・・・

「殲滅お願いします!」

「あちしの出番ね、ヘルバーストフレイム!」

「千矢百夜!」

「ピーナツ目潰し!」

バリンズババ ババ ッズババ・・・

さすがは、クレイジーの火力陣。

すぐさま雑魚の群れを処理

「立て直すよ、ヒールレイン!」

やんやんさんのヒールを待って皆再度グレートドラゴンに立ち向かう。


「少し抑え気味で30%まで行きます」

荒ぶるグレートドラゴン、その振るう爪はたやすく岩をも切り裂かん。

要所で防御アップやダメージ低減を入れてきんぐさんが盾を構え凌ぐ。

落ち着いた安定した盾職はボス狩りには必須だ。

盾が安定してるだけで、後衛や前衛火力は遠慮なく攻め込める。

それを持続させるヒーラーも重要だ。


「一旦下がってください範囲に備えます。」


このグレートドラゴンの範囲が凶悪なのだ一定割合防御貫通の広範囲ダメージが来る。


ーディフェンスフィールドー

ーホーリーシールドー

皆範囲に備える。

そして凄い衝撃と光に包まれる。


そして全滅・・・・・かと思われたが一人残ってる。


ー明鏡止水ー

ロックスの超難易度の無敵カウンター炸裂。


ドーーーーン!


「ナイスロックスさん!」

「全員急いで死に戻り!」

「あなたが神か!」

「すげー」

「急いで戻る!」

かろうじてボスのタゲを繋ぎとめる。


そして蘇生地点の入り口に戻される。

「全員集まって移動速度上げます。」

ーウィンドムーヴー

蒼月さんの範囲移動速度UPで、ダッシュでボスのもとへ向かう。


そのまま攻撃の手を緩めることなく攻めるロックスだが何かおかしい。丸まって動かなくなったグレートドラゴンが異様に硬くダメージが通らない。直ぐに生き返ってきたメンバーが到着。


「ナニコレ??」

「ドラゴン死んだ?」

「まだHP20%残ってるね」

「とりあえず攻撃!」


全員で攻めるもほとんどHPが減らない・・・

ここからは未知で誰もしらない領域だった。

するとドラゴンがゆっくり立ち上がり始めた。

その下にはなんと二匹のドラゴンが・・・


「赤ちゃん産んだwwww」

「wwww」

「おい気を付けろっ!」


その二匹は「グレートキングドラゴンjr」と名前がついていた。


「なんかやばそう!」


そのドラゴンjrは口から火の玉を無数に吐き出しながら後衛を攻撃し始めた。


「ちょw」

「痛すぎるwww」

「ムリw」

するときんぐさんは冷静に

「自分が親タゲ持っておくんでロックスさん子供処理お願いします!」

「わかりました。」


さっそく一匹に絞り込んでロックスが攻め込む。怒涛の勢いで攻め込むもこれがまた硬い。だが削れているのでどうにか攻め込むがもう一匹が後衛を攻撃し始めて半決壊。

「死んだ人はすみませんが、急いで戻ってきて!」


やんやんさんも頑張ってヒールをまわすが盾は死なすわけにはいかないのでどうしても後衛へのヒールは遅れる。


「もう一匹はこっちで受け持つ!」

もう一匹のjrをジャンさんとラ王無双さんで二人係でどうにか受け持ってもらってるがやばそうだ。

「攻撃速度上げます!」

ーアクセラレーター

ジャンさんの範囲スキルでPTメンツの攻撃速度UP

「アタタタタタタタタタタ」


「物理火力上げます」

ーマキシマイズオーラー

ラ王無双さんのスキルでPTメンツの物理火力が上がる

「わが生涯に悔いが残る・・・」


「頑張って、防御あげます!」

ープロテクションー

やんやんさんの補助スキルでジャンさんとラ王無双さんの防御を上げる。


PTメンツのスキルの相乗効果により個々の火力の底上げを行う。


後衛がどうにかゾンビアタックしてる間に、ロックスが怒涛の攻撃でようやく一匹処理。こうなれば後一匹このjrをロックスが攻撃受け躱しながら全員で沈めれる。

どうにか手こずりながらもjrの処理が終わり、グレートに目を向けると

HPがまた40%付近まで戻っている・・・


「やべーこれ繰り返しあるかな?」

「あったらむりげーwww」

jrの処理に10分以上かったせいでボスのHPが回復してしまったのだ。


〔jrに手間取ったおかげでもう一発堪えれる。〕

そう、手こずったおかげで明鏡止水の10分リキャストが回復したのである。

(ロッくん行けそう??)

〔次範囲来たら死に戻りに備えるよう伝えろ〕

(わかった、言ってみる!)


「あの、次範囲来たら死に戻りに備えてください」


「了解しました!」

「さっすが」

「頼みます!」

「みんな死んだらすぐに生き返って攻撃準備!」


そして怒涛の攻めでHPを削っていく。

やはり30%まで削ったところで、グレートドラゴンが力をため込む


「ロックスさん頑張って!」

「逝ってくる」


そしてドーンという衝撃波と光に包まれる。


ー明鏡止水ー

ドーーーン


皆は一気に床を舐めていたが一人のアサシンは、

涼し気な顔で身構え戦っていた・・・


どうやら産卵?は一度きりのようで防御アップもなく削れて行くHP。

死に戻りから急いで戻ってきた皆は素早く攻撃態勢に入る。


「全員総攻撃!」

「クリ率UPします!」

ークリティカルオーラー

蒼月さんの範囲クリティカル率UPスキルで全員の火力を底上げ。

次々と皆がスキルを重ねる。


グレートドラゴンも狂暴化状態になり暴れまくるが、

必死に防御スキルを駆使し堪えるきんぐさん。

そしてグレートドラゴンのHPが赤くなる。


ドラゴンは瀕死だった。

ちゃっかりスティールを決め込むロックス。

全員がすべての力を振り絞るとともにグレートドラゴンが断末魔を上げて息絶えた。


それとともに全ワールドにアナウンスが流れる。


ーギルド「クレイジーギア」によりグレートドラゴンが討伐されました。おめでとうございます。ー

ー討伐MVPは「ロックス」さんです。おめでとうございます!。ー


「やったぁああああ」

「ないすー」

「あちし、魔法少女になれた!」

「皆さんよく頑張りました。お疲れ様です。」

「ステーキ作るアルネ!」

「ピイィヤアァアアアオオオ」

「お疲れさまでした。」


彩音は初めて大勢の仲間とのボス狩りに参加できて、興奮冷めあがらない状態だった。おそらく皆も同じ気分だろう。


 そう、この達成感こそMMORPGの醍醐味でもある。



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