第5話 全てを切り裂く刃の如し
~~~~ロックス視点~~~
またまた新しい装備が作れたのでその効果を試しにダンジョンに戻ってきた。
うひょー敵が粘土細工のようにもろく感じる。すべて一撃確殺じゃねーか。
だめだこれここじゃ敵の湧きが追いつかない、もっと奥に潜ろう。
そしてさらに奥へと進む。すでにロックスの適正より20も上の所まで来てたが、それでやっとちょうどいいくらいの感じに狩れた。ロックスの急激な火力の伸びに対して適正狩場がもはや適正ではなくなってた。もとより的確に敵の急所を捉え攻撃はすべて躱すので、敵の攻撃力の高さは問題では無かった。
要はロックスの火力に対しての適正狩場さえ、探せばそれでよかった。
ハイウルフか、このくらいの獲物がちょうどいいな。
『ハイウルフ』Lv50 攻撃力43000 防御力10230 HP67000
(ここのネームドでてこないかなー、まぁそうそう出会えれば苦労しないけど。)
ハイウルフは攻撃力が高く素早く仕留めないとどんどん仲間を呼んで手に負えなくなる。そう、高火力のロックスにとっては数もこなせてとても美味しい獲物だった。ハイウルフの毛皮と牙は素材としてもよく売れる。
(しばらくここで狩りながらネームドの出てくるのを待つか)
~~~~~・~~~~~・~~~~~~~
~~彩音視点~~
いつ来てもダンジョンというところは、おっかなく感じる彩音だった。
それもそうだろう、彩音が手動でやればおそらくここでも満足に狩は出来ないかもしれない。そうして彩音ははやる気持ちを抑えオートボタンを押す。
(わぁすごい火力高くなってるすべて一撃で倒してるよーここでも適正より上なのに、ここじゃもう物足りないかなーアサシンってみんなこんなに強いのな?・・・)
こんなに強いわけがない・・・そもそもオートプレイでは敵の攻撃に合わせて「暗雲転身」等使わない。適当に攻撃スキルを当てていくようなセットは出来るが敵の攻撃を自ら躱したり、攻撃に合わせたりはやってくれない。そのような上級スキルはすべて手動でないとタイミングが計れない。
だが彩音のアサシンの動きは超一流のプレイヤーが操作する者よりさらに洗礼された動きだった。それもそのはずだ。
ロックスが敵を直に感じ動きを先読みし、気配を察知し、常に先手で動いてこその動きだった。モニター越しにみて反応するのとはわけが違う。
このすべての事実を知るのはもう少し先になる。
そして彩音はロックスが十分に狩をできるところを探して奥に進んだ。オートでダメージを食らわず、ある程度狩が持続できるような所まで行くと放置して出かけることにした。
彩音は、親友の美咲と会う約束をしていた。
このデスティニーフェアリーを紹介してくれた者でもある。
美咲とは中学からの親友で、大のゲーム好き同士という事で馬が合った。彩音とは違って性格は活発で運動神経も抜群。背も高く美人で皆からの人気もあった。唯一の彩音との共通点がゲーム好きで、特にMMORPGが好きという事で、仲良くなっていったのである。
程なくして彩音は美咲との待ち合わせの場所に着いた。
待ち合わせの場所に着いたはいいが、頭の中はデスティニーフェアリーの事で頭がいっぱいだった。
(大丈夫かなーロッくん死んでないかな・・・)
そんなことを考えていると美咲がやってきた。
「ごめん、お待たせ。」
「全然、今来たところ。」
「んじゃいこっか。」
今日は新しくできたパフェの店で、思う存分デスティニーフェアリーについて
話そうと言ってたのである。
どのパフェにするか二人は真剣に悩んで悩みぬいた末に一番人気のストロベリーパフェにした。
「どう彩音フェアリーやってる?」
「めっちゃやってるよ、めっちゃ楽しい。」
「そっかー楽しんでるなら良かった。レベルは?」
「今35くらいだったかな・・さっきドラストダンジョン?の5階層に放置してきた。」
「え、ドラの5階ってやばくない?」
「え、やばいって何が??」
「そこ、うちでもソロで行けないよ?」
「え、まじで?美咲のレベルいくつだっけ?」
「55のウィザードだけど。」
どうやら彩音の認識がずれているのを少し感じたようだった。
それともダンジョンの名前をまちがったのかと思案したが、確かにそのような名前のダンジョンだった。
「なんか灰色の狼みたいなのがうようよいるとこだったけど、名前間違ったかも?」
「いや・・・あってるね・・・」
「あれ・・・」
「あそこの狼すぐ仲間呼んで手に負えなくなるからパーティーでしか行かない。」
「そ、そうなんだね・・・」
「あそこをソロ出来るのはレベル60くらいのアサシンならいけるかもなー」
「まじで・・・でも推奨50レベルって・・・」
「パーティーでね。」
「あちゃーロッくんごめん死んでるかも・・・」
それから、彩音は今までのダンジョンの経緯や装備を美咲に話した。
「ブレイブハート」をゲットしたのには凄い驚かれたが、血まみれをソロで倒したと言ったら少し疑いの目が入り始めた・・・
そこまで強くなってるなら今度一緒に狩いこうよという事になった。
彩音はしぶしぶOKしたが、パーティープレイの経験の無い事が不安だった。
(あたし手動だとうまくうごかせないからなぁ・・・)
いざとなったらそっとオートにしとけばばれないかなっと考えながらも少しロッくんの事が不安だったから予定より早めに帰宅することにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます