第5話 大工になりたい夫、通勤用の車を買うか買わないか(4)
大工に「見に行かないか」と誘われた週末に自宅から40分かけて中古車専門店に二人で向かった。
白いコペンとワイン色のコペンがあり、どちらもエンジンをかけたり、ボンネットを開けて具に見ている。2台見るだけで1時間以上かかる。
もう帰りたい
と思ったがそれを言うとひしゃげた犬みたいな顔するので言わなかった。
それに今日もう決心してさっさと買って欲しかった。
彼が毎晩毎晩(買いもしない)あまたの車のスペックを暗記している間、私は家事をし、子どもの面倒を見ているのだ。自分の睡眠時間を削って。
1台しか車買わないのに、何をそんな何時間も毎日見る必要があるのか到底理解できない。
もしきっと私が100万円のCHANELのバッグ買うために毎日何時間もBAYMA見てたら小言言うくせに。
でもそういう人なのでしょうがない。はまりだしたら誰も止められない。
そんなことより今日、もうここで決着付けてくれ(家事を手伝ってくれ)という気持ちが大きかった
結局2時間以上粘って、これだというものに決めた。
しかし運悪くその日は急いで帰らないといけない用事があり、契約は翌週にすることにして慌てて帰宅した。
帰りの車の中で大工は「いいのが見つかってよかった」と喜んでいたし、私もやっとこの生活終わる、、、と安堵していた。
しかし翌日、あっさりその車は別の人に売られてしまい、私たちは振出しに戻る
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます