第4話 ハズカシサ
またしても俺は堀さんの後を追いながら歩く。
「…あ、そーだ。そーいや、慧先生が集会終わったら職員室来なさいって言ってたよ。」
「え?なんでですか?」
「なんでって、あんたさっきの授業中ずっと寝てたからでしょ。」
俺は血の気が引き、体がゾワッとした。
中学の時と同じなら、きっと慧先生もかなり怖い。
「ま、まじですか…分かりました。」
「あと、学年集会で自己紹介もさせるから考えといてっても言ってた。」
俺は嫌な予感しかしなかった。
---体育館到着
各クラスの生徒達が、体育座りで周りの人と駄弁っている。
どうやら二学年の生徒数はざっと三百人過ぎくらいのようだ。
「はーい、二組が来たので集会をはじめまーす。」
マイクを持った名前の知らない先生からの開始の合図があり、集会が始まった。
---数十分後
「んじゃ、次は転校生の紹介をします。」
周りの生徒のほとんどが体育座りで寝ている中、自己紹介のタイミングが来た。
「え…?転校生?」
「男子?女子?」
さっきまで寝てた人達が一斉に起き始め、ザワザワし始めた。
「んじゃ古賀君。前に来てください。」
俺は立ち上がり、歩き始める。
「お、おぉ〜。」
朝と同じ、百点中五十点くらいの反応だった。
「古賀大河です。よろしくお願いします。」
俺は粋がらず、普通に自己紹介をした。
「!!」
俺の目の前には、体育座りでスカートの中が見えてしまっている女子生徒達がいた。
勿論、手で隠している人もいたが、半数以上は油断して隠していなかった。
「ゆ、夢の中だから、別に大丈夫だよな?」
俺は見逃さないように、しっかりと目に収めていった。
「はい、んじゃ、古賀大河君はうちの二年二組に所属してるので、話したい人は話しに来てねー。」
慧先生が隣に来て、そう言った。
「…こら、スカートの中覗かないの。」
「?!?!」
慧先生は誰にも聞こえないように小声で言ったが、集会中でマイクを持っている為、丸聞こえだった。
「え?い、いや、見てませんよ!!」
体育館には二学年の生徒達の少し引いたような「ははっ」という笑い声が響いた。
慧先生は申し訳なさそうな顔をしつつ、笑っていた。
多分、慧先生は意図的にやったのだろう。
「うわー、俺の学校生活詰んだかも。…でもまぁ、夢の中だし、無問題って事にしとくか。」
「はーい、んじゃ、これで学年集会を終わります。次の全校集会は教室のスクリーンを通じてやるので、教室に戻ってください。」
これからの俺の学校生活を暗示させているかのように、生徒達が次々といなくなっていく。
「よ、へーんたい。」
堀さんが話しかけてきた。
「最悪ですよ、本当に。しかもこれから職員室行って説教って。」
「でも、本当は見てたんでしょ? 目線がバレバレ。」
「…はい。どっちも自分のせいなんで腹括ります。」
「ふふふっ」
堀さんは普通に笑った。
誰もいなくなったと思っていた体育館の中には、人が数人残っていた。
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「孤独人は目を瞑ると逢える君に良い悪戯をしたい」を読んでいただき、ありがとうございます。
第五話は、新しい出会いがあります。
次の話が掲載され次第、もしよかったら読んでみてください。
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