第2話 炎天シュウと炎天キリヤ

 人工島 神集島かみつどいじまここは召喚士やそれに関係する人々が暮らす生活場所であると同時に召喚士、そして異界についての研究を行っている軍事的研究機関でもあった。

 そんな人工島のとある建物の一室に2人の男がいる、1人は腰まで届く髪を後ろで束ねビジネススーツとメガネをかけたどこか中性的な容姿をした青年名を炎天えんてんキリヤ彼は今自身の暮らす住居で書類整理を行なっている。

 もう1人は、赤いジャケットに身を包んだ背の高い茶髪の青年炎天えんてんシュウ彼は現在

「頼むキリヤお前の依頼手伝わせてくれ!!」絶賛弟に土下座中だった。

 「突然やってきて開口一番に何をしているんだこの愚兄は・・・」そんな兄の妄言をただ絶対零度の眼で見下ろすキリヤ、その後何事もなしに書類作成へと戻って行った、ただし続けながらもシュウとの会話は続けていく。

「そもそもこの間、迷獣めいじゅう討伐の任務があったはずだろう?あれはどうなった」

 迷獣とは此方の世界に現れた理性を失った異界者のことだ、奴らは時として人に危害を加えるため現れ次第召喚士が契約、または討伐するのが決まりだ。

 「あー、うん討伐は完了だ!!いつも通り俺とでぶっ倒した、ただ」

 「ただ?」「その戦闘の余波で建物に被害が出てその修繕費で結局スカンピンになっちまった」

 あ、あははーと、笑うシュウしかし次の瞬間

 べき!!!と言うキリヤの書類作成に使っていたペンを握りつぶした音に顔を真っ青にする。

「この!!バ火力脳筋愚兄がああああ!!!!」

「お前はいつもいつもなぜそう周りを見ない!!お前は僕と違ってフリーランス仕事の成果がそのまま自身の報酬に直結すると言うのになぜそう考えなしなんだ!!少しは頭を使えそれだけ強力な異界者と契約しておきながら何だその様は!!」

 最早どっちが兄でどっちが弟がわからない光景である、キリヤに説教くらっている間もシュウはずっと誤りっぱなしであった、そんな2人に。

 『まぁ良いではないか、我が契約者の弟よ此度の戦いもなかなかに面白かったぞ』声が聞こえると同時に2人の間に炎が現れたその炎の中から、1人の女性が姿を見せる、腕や胸などを鱗の様なもので覆っておりそして何より頭の前後にツノの様なものを生やした女性、彼女こそが炎天シュウの契約する異界者、イブリースに他ならない。

「そう言う問題じゃないイブリース、全く・・・仕方ないか、おいシュウ!!」「はい!!」

「本来、俺が受ける予定だった仕事代わりにやらせてやる、今回の仕事は迷獣ではなく敵対召喚士の撃破だ」

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