第2話 はーい…おじさん

1人目。笑


この人の事は普通に嫌いだったので

ネタは多くない。


若い時整体師をしてた。

その時一緒に働いていたおじさん。

会社が学校と連携しているような感じで学校出た人がそのまま働くか、

先に会社に入って研修を受けるかって感じで

どっちにしても講義だの実習だの試験に合格しないといけないようなシステム。

コースごとに資格が必要で持っていないと施術ができない。


そんな感じなので年齢層は結構若め。

ほぼ20代前半で店で働き始める。


おじさんはあろうことか新人だった。笑

私の部下です。


お店のスタッフは店長含め20代でエリアマネージャーとかが30代〜というメンバーだったので50代で新人のおじさんにみんなどう接していいかわからず、

おじさんに対して全員敬語で

なぜかおじさんはみんなに対してタメ口。


え?人生の先輩って事でしょうか?

社会のルールは無視。


みんなめんどくさいのでスルー。


このおじさんはそれ以外も曲者だった。

まず、資格があるコースしか担当できないし

もちろんコースの中で出来る範囲は決まっている。

例えば筋肉を緩めるマッサージのようなコースでは骨格の調整はできない。

値段も違う。


それなのにおじさんは

「こうすると骨盤も整うんですよ」とか言っちゃってドヤ顔。

もちろん骨格のコースではないお客さんに。

わけわからない手技で。笑


お客さんはわかるわけないので

流石ベテラン先生は違うわ〜とか喜んでた。


年齢的にも新人って言えなくてベテランなんです。って言ってた。

新人のおじさんなんて気持ち悪いけどベテランだと思えば気持ち悪くない。

これが裏側のリアル。


完全にカオス。


平日はお客さんが少なめなので少人数でシフトを組む。

おじさんと2人で遅番だった日、おじさんにはまだお金系の締め作業を教えてなくて私が1人で締めてた。

おじさんは片付け。私はまだかかりそうだった。

片付け終わったおじさんは

じゃ!俺帰るわ!って急に帰った。


暗いビルの中で女1人にされたし

まず帰っていいですか?もなかった事に苛ついていきなり嫌いになった。笑


それからおじさんの全てが嫌になった。


特に口癖。

いろんな語尾に、はーい。って言う。


例えば

少々お待ちください。はーい。

更衣室はこちらです。はーい。

最近、お身体どうですか?寒いですよね。はーい。


など。いるよね、こういう人。

毎日聞いているうちに笑顔でいるのが難しくなってきた。

会社の偉い人に耐えられないとついに電話したらクビにする予定とのこと。

知らなかったけど違う日の遅番で2回もお金がなくなっているらしい。


それからしばらくして辞めていった。

送別会もなかった。笑






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る