国王の嘘を見破ったら死刑にされかけたのでとりあえずこの国出ていきますね
時雨古鷹
第1話
俺の名前は斎藤漣。1週間前までは普通の高校二年生だ。
「ここを超えればあのくそみたいな国を出られる。佐藤さん、藤堂君も信じてくれてありがとうね。本来なら学級委員として残って皆をまとめなければいけないところを」
「なに言ってるんだ。俺たちは前々から漣を除いた奴らを嫌ってたんだ。高校二年生にも関わらず髪染めたり授業中にも関わらずバカ騒ぎしたり。おかげで俺たち学級委員は先生たちからしこたま指導が足りんと怒られたんだ。お前が一番真面目で信頼できるやつなんだよ」
そう笑顔で言うのは同じクラスメイトで学級委員長をしていた藤堂誠。短髪で身長は高くイケメン。勉強に運動とその他諸々優れている。
俺はどうかって?俺はクラスの中で一番の陰キャだった。いやそうならざる負えなかった。クラスの雰囲気が合わな過ぎて本ばかり読んでいた。顔は普通、特に秀でた才能はないが1つだけ特技がある。それは他人の話していることが真実か嘘かが直感で分かってしまうのだ。
今回もそれが起きたんだが詳しく話すと長くなるのでざっくりと説明…あ、佐藤さんがなんか話したそうです。
「それにしても急に異世界召喚されて殺されかけるって私たちも災難よね」
佐藤さんこと佐藤由美。副委員長で容姿端麗、黒髪のショートヘアで少しクールな美少女だ。
そんな佐藤さんは1週間前の出来事を振り返っている。
1週間前、何があったのかというと俺たちのクラスは異世界召喚に巻き込まれた。そしてすぐにこの世界についてザックリと説明を受けた後、召喚した国…グルヴァロス王国の国王からこの世界を救ってほしいと言われた。俺と学級委員2人は戸惑っていたがその他のクラスメイトは大歓声を上げ訓練場へ去っていった。俺はもう少し詳しく聞きたいと国王にお願いし説明を受けた。
国王の説明によるとこの世界に邪神…いわゆる悪の存在に脅かされているので助けてということらしかった。
俺は直感で嘘だとわかり下手な嘘をつくなと呟いたところ、国王がぶちギレなぜか俺たち3人に死刑が言い渡され地下牢に入れられたのだが看守が寝ているすきに地下牢を脱獄し命からがら逃げてきたとおいうわけだ。
「佐藤さんの言う通りだ。ちなみに俺らは漣に従うからな。異世界で何をすればいいのか分からないし」
「俺も本で読んでただけだから分からないことだらけだよ。しかもあの国では簡単な情報しか教えてくれなかったし。とりあえずまだステータス確認してなかったからしてみようよ」
俺がそういうと2人は頷き自身のステータスを開いた。
【名前】 斎藤漣
【種族】 人族
【年齢】 17
【職業】 無職
【レベル】 3
【称号】 国追われし者・無実の罪で処刑されかけた者・グルヴァロス王国指名手配犯・異世界から召喚されし者・古の勇者
【固有スキル】 異世界ショップ・アイテムボックス
【スキル】 身体強化・直感・探知・錬金術・礼儀作法・ストレス耐性・上位鑑定・隠蔽・商売
あーやっぱり指名手配されてるよ。2人の顔を見る限りそっちも指名手配中か。それより称号欄にある古の勇者ってなんだ?
「齋藤君、ステータスどうだった?固有スキルなんかあった?私は叡智の瞳だったんだけど」
「俺は隠蔽だったんだよ」
2人が固有スキルを話してくれる。てか2つあるのは俺だけだぞ?佐藤さんの固有スキルは鑑定系っぽいし鑑定してもらおうかな。
「俺の固有スキルは異世界ショップとアイテムボックスの2つだよ。で、佐藤さんの叡智の瞳は鑑定系のスキルだろうから鑑定してもらえる?」
俺はそういって詳細を鑑定してもらった。
【異世界ショップ】
日本の食べ物や便利な小物を購入することができる。なお購入する際はお金をチャージする必要がある。
【アイテムボックス】
通常のアイテムボックスとは違い容量無限の上細かく分けて収納することも可能。時間は停止している。生物NG
ということだった。ちなみに古の勇者の鑑定もお願いしてみたがそちらは虫食い状態だったとのことで…見てみたのだがまったく分からなかった。虫食いというより殆どが書かれていなかったのだ。
まあそれはさておき
「国境ようやく超えたぞー」
そう、脱獄から1週間の逃走をえて俺たちはグルヴァロス王国から抜け出したのだった。そして3人そろって安堵していると藤堂君が叫んだ。
「2人とも、ここからそう遠くない街道で誰かが襲われてるぞ‼助けにいこう‼」
そうして俺たちは藤堂君に先導され走り出した。
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