何も知らない中学生達の恋愛

ZERO_ゼロ

第零章

※第一章から読むことをオススメします。

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人が人を好きになることは珍しくもなんともねぇ。

だが、その2人が出会う確率は72億分の1らしい。

俺はそんな事を聞いて自分が幸せなのか不幸なのか

わかんなくなっちまったよ、早すぎてな

物心ついた時にはあいつが好きだったんだ。

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キーンコーンカーンコーン

辰巳「あぁ〜くっそ バカ眠ぃ」

龍希「自業自得だろ」(八神やがみ 龍希りゅうき)

辰巳「あの時間に寝たら遅刻してた。」

龍希「理由も無く徹夜はねぇ〜」

辰巳「うるせぇ もう時間だぞ」

中学二年生 一学期

ベッドに入ったのが午前0時23分だった俺は

「この時間に寝たら遅刻するな」と思い、

めちゃくちゃ頑張って徹夜したんだが、

案の定死ぬほど眠たくなっていた。

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辰巳「また恋愛の話してんなぁ」

保秋「そういえば辰巳好きな人誰?」

辰巳「ヒント 一組」

航汰「わかんねぇよ」

辰巳「ヒント 音楽委員会」

保秋「えぇ〜…良句さん?」

辰巳「なんでわかるんだよ」

保秋「へぇー いつから好きなの?」

辰巳「記憶ねぇ」

航汰「え?」

辰巳「そんくらい前から好きなの」

保秋「え! めっちゃ一途やん!」

辰巳「まあ、もうあんま話さねぇけど」

保秋「へぇー」

辰巳「まあそれはそうと保秋はここには慣れた?」

そう。保秋は転校生。でもクッソ馴染んでる。

なんなら俺より馴染んでる。なんで?一年から

ってか小学校からいる俺よりなんで馴染んでるの?

ねえ。なんでなんで?

保秋「うん 大分ね」

辰巳「わかんねーことあったら俺に聞け」

航汰「カッコつけんなー」

辰巳「うるせぇよ」

辰巳「ま、ここの3人今年が会うの

初めてだし、よろしくな。」

~翌日~

辰巳「神成 葵…話しかけずれぇ〜」

辰巳「あいつ力強えんだよな」

辰巳「下手に刺激したら〇されそうだし」

辰巳(どうしよー)

葵 「辰巳?」

辰巳「ふぇ!?」

葵 「中休みのあとって授業なんだっけ?」

辰巳「あっああ、確か数学。」

葵 「ありがと」

辰巳「葵?」

辰巳「ゴリラとか言われてる割には優しいじゃん」

葵 「うるさい。」

辰巳「ま、そういう奴って事か」

紬木「ねぇ」(張詰はりつめ 紬木つむぎ)

辰巳「あ?」

こいつは小学校から一緒だから

全然話せるけど。

紬木「辰巳って良句のこと好きじゃん」

紬木「告んないの?」

辰巳「考えてるよ」

辰巳「たださ、クラス違う奴からいきなり

告られんの女子的にはどう?」

紬木「いや別に?気にしない」

辰巳「あっそうなの?じゃあ告ろうかな」

紬木「がんばー」

辰巳「つって簡単に告れたら苦労しねえよ」

辰巳「9年間何も出来てない」

紬木「難しいよねー」

辰巳「もし振られたら立ち直れる気がしない」

紬木「ちょっといい事教えてあげる」

辰巳「?」

紬木「両思いだよ」

辰巳「えガチ?」

紬木「ガチ」

辰巳「ちょっと考えてから告る。」

紬木「頑張って」

辰巳「おう。」

そして2009年7月3日

辰巳「やっぱ恥ずかしいから手紙だな」

辰巳「蓮に頼んで大丈夫だったかな」

蓮 「辰巳-」(苗字考えるのめんどかった)

辰巳「どうした?」

蓮 「即帰ってきた」

辰巳「マジで? 引き受けてくれてありがとな」

蓮 「ん。」

その手紙には付き合ってくださいの

文字の下に濃くはっきりと「Yes」が

書かれていた。

辰巳「っしゃあ!」

保秋「どした?」

辰巳「告ったら成功」

保秋「おぉ!良かったじゃん!」

なんて思ったのも束の間。

辰巳「話しかけれねえ…」

辰巳「ヤバいどうしよう。彼女に喋らない

まま1ヶ月が経とうとしている。」

辰巳「これはまずい。」

手紙で告白したのが仇となった。

そもそも良句とはあまり接点がないし、

俺はスマホを持っていないから連絡も

取れない。

辰巳「俺は一体、何やってんだろうな。」

~夏休み明け~

保秋「夏休み中なんかあった?」

辰巳「何も。」

保秋「まだ良句のこと好きなの?」

辰巳「仮にも彼女だぞ。あいつは」

保秋「恋って凄いもんなんだね」

辰巳「お前は好きな奴とかいねぇのか?」

保秋「いるよ?紬木。」

辰巳「お前紬木好きなの!?」

保秋「うん。」

辰巳「まじかよ。」

保秋「そーいや体育祭練習っていつから?」

辰巳「9月からだったはず」

保秋「了解」

~9月5日 体育祭練習中~

先生「今日は80m走の確認ねー」

辰巳「俺足遅いけど何レースなんだろ。」

虎館中の短距離走は前半が女子、後半男子で

前から順に足が早くなっていくような編成。

辰巳「18レースか。男子の1番前だな。」

先生「よーい、ドン」

辰巳「いや皆足速すぎだろ!」ダッダッダッ

辰巳(めっちゃ女子が応援してる奴いるし…)

「辰巳ー!」

辰巳「は?」

気のせいだろうか。今微かに俺の名前が聞こえた

気がした。それも聞き覚えのある女子の声。

これは…

辰巳「…」

ふと既にゴールしている女子の方を見る。

辰巳(良句だ!)

良句がこっちを見ながら俺の名前を叫んでいる。

辰巳(すまんな。どうにも俺は足が遅い。)

結果は5位。6人中5位だ。良句には

カッコ悪いとこ見せたが、何となく

肩の力が抜けた。良句が俺を応援しているのを

知って少しほっとした。


辰巳「てことがあった。」

保秋「へー!よかったじゃん。」

辰巳「だからといって話せないけどな」

保秋「頑張って」

辰巳「おう。」

~1ヶ月後~

辰巳「お前紬木に告ったらどうだ?」

保秋「えぇ〜…でも告れないんだよなー…」

辰巳「は?なんで?」

保秋「じゃあ自分から告るの反対は?」

辰巳「告られる…まさか!?」

保秋「正解」

辰巳「まじかよ!良かったな!」

そして体育祭本番。

先生「よーい、」

パァァン!

辰巳「!」ダッダッダッ

辰巳(あれ?このまま行けば?)

なんと1位でゴール。

辰巳「っしゃあ!」


そんなこともあり二学期が終了。もちろん

良句とは話せていない。

だが1番驚いたことは、半年で保秋と紬木が

別れたことだ。そんな感じで三学期も終了

してしまった。

辰巳(なんも出来てねぇなぁ…もう三年に

なっちまったし)

辰巳「ん?LINE?」

葵 『今日夏琉の家来て』

辰巳『了解』

辰巳「行くかー」

~その後夏琉の家~

辰巳「誰がいる?」

夏琉「うちと辰巳、航汰、葵、あっきー」

路輝「あ、辰巳が来た」(氷上ひかみ 路輝みちあき)

(路輝は読み方がみちあきだからあっきー)

辰巳「お、全員いる。」

~なんやかんやで好きな人の話になり~

航汰「じゃあ全員好きな人発表したら?」

辰巳「東雲しののめ 良句らく

葵 「涼風すずかぜ 蹴斗しゅうと」(後で出てくる)

路輝「鈴羽すずは 優花ゆうか」(後で出てくる)

夏琉「えぇっとぉ〜」

葵 「早く!」

夏琉「…狩島 航汰」

路輝「え!?」

辰巳「まて、航汰の好きな人を聞こう。」ニヤニヤ

航汰「…高橋 夏琉」

葵 「やっばぁ!」

航汰「もう帰る!」

辰巳「じゃあ、皆帰ろうか。」

~帰り路~

辰巳「今日寝れそうか?」

航汰「無理。」

辰巳「明後日ちゃんと学校こいよ。」

航汰「はいはい。」


第零章 過去 完

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