神様不動産。妖怪アパートドキドキウェルカム

亀岡たわ太

第1話 巫女姉妹のアパート探し

 俺、大島秋留は少女姉妹とそのお父さんを軽に乗せ、これから住宅内見に向かう。


 大島秋留は神様不動産ミコミコの内見アドバイザー。姉妹の父、阿久野治さんから姉妹が大学に行くのに都会のアパートを手配して欲しいとの事で合ってる物件に案内する。


「ここなんかどうでしょう?」


 東京近郊駅前五分、近場にコンビニとスーパー。どこをどう取っても優良物件。自慢のアパートだ。


 しかし阿久野治氏。


「あのう。このお札はなんでしょう??」


 アパートは少し階段を上りエレベーターに乗る。アパートの部屋1006号室まで来るとドアには大量の札が貼ってあった。ちょっと事故物件を感じてしまったようだ、お父様は。


 俺は落ち着いてこう言った。


「なんでも無いですよ。防犯用のお札です。」


「ぼ、防犯用…………、??!!」


 姉妹は浮かれてた。


「アパートだあ。」


「お姉ちゃんと一緒だあ。」


 俺は防犯用のお札を躊躇なく破り部屋1006号に3人を案内した。


 アパートミステリアムハイム。七畳半1K。壁は白。トイレ、バスは分離。普通の良識的な部屋。姉妹なら隣同士でも良いのでは??


 お父様治氏も部屋の内覧に安心してこの場で契約を結ぶ事に。阿久野家は神社の神主の家系。少しのお祓いなら姉妹でも大丈夫。その分家賃も安いしな。


 お父様と俺でリビングで契約書にサインしてるところに姉妹は周りを駆け回る。


「わーい、アパート。」


「わーい、私達だけ。」


 それにしてもこの姉妹。大学生にしては幼いなあ。


「わーい、パンツ取られたー!!」


「わーい、お股触られたーー!!」


 姉妹の浮かれように神主が驚く! そこには妖怪座布団たぬきと言うインテリア妖怪がいたのだ!


「こ、この部屋! たぬきがいるじゃ無いですか!! こんなの聞いてない!!」


 俺は落ち着いて言う。お客様には安心してもらう為。


「いいじゃないですか? このたぬき、座布団にもなれます。害は無いですし。このアパートの妖力に集まって来たのでしょう。」


「そんなまずいアパートだったの??!!」


 ハンコを押してしまった神主は顔面青ざめる。


「わーい!」


「わーい!」


 巫女姉妹アコとマコは座布団たぬきと1Kリビングで走り回る。


 俺はお父様に畳み掛けて言う。


「この物件は事故物件で妖力があり、一般人には厳しいですが。オタクの娘さん達は巫女ですし。住むだけで必ず巫力が上がります。この計器でも。姉妹の巫力は1100!! 来る前より200上がりました。凄いでしょ??」


「わーい! たぬき可愛い!」


「わーい! たぬきやらしい!」


「はあ。しょうがない。娘達を頼みます。」


 契約成立。ご契約されたって事で明日から荷物持ってくる予定だそうです。ありがたや、ありがたや。





 俺、大島秋留は神様不動産ミコミコの事務所に帰る。そこには女の子が出迎えてくれた。彼女の名はレミン(鈴眠)うちの会社の神様。女神様だ。見た目幼女だが。


「秋留!! 今日はどうじゃった!! 妾も行きたかったのう! 巫女の巫術! 見てみたかったのじゃっ!」


「レミンはダメ!! うちの神様なんだから! お相手の神主が驚いてしまうだろ!」


「ぶぅ。わしが折角風水で占ってやったのに。水晶でみるになかなかのかわ良い姉妹じゃったなあ。」


 姉妹を思い出してニマニマする女神様。俺は不動産ミコミコの神棚に拝みながらレミンに感謝する。


 今日も神様不動産ミコミコはぼちぼち儲かってます。

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神様不動産。妖怪アパートドキドキウェルカム 亀岡たわ太 @kameokatawata

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