“俺は今まで一度も! 俺から女性に告白してフラれた事がない男!”

神石水亞宮類

第1話 “俺は今まで一度も! 俺から女性に告白してフラれた事がない男!”




俺は一つだけ自慢できる事がある!

それは、俺から女性に告白してフラれた事がない事。

そもそも俺がその子を好きになった地点で、俺はその子に気に入られる

ようにアピールをはじめる!

男らしさや優しいところを“自然に見えるように”巧妙に演技も入れながら、

俺は好きな子にだけ的を決めて、突き進んでいく!

そんな俺の事を好きになった子は、少しづつ意識し始めて俺と付き合って

くれるという流れになるんだ!

当たり前だが、“俺はモテる!”

別に外見がカッコいい訳じゃない!

俺の恋愛のテクニックが女の子を好きにさせるのだろう。

まあ、俺は今まで女の子にフラれた事がない男だからね!



『今度の金曜日の晩から、俺の家に泊りに来ない?』

『えぇ!? いいの? お泊りしたーい!』

『一緒に居れる時間も俺は大事だと思っているから、出来るだけそういう

時間を作るようにするね。』

『うん。』

『でもさ、せっかく一緒に居れる時間があるなら? どっか行きたいね、』

今からでも行きたいところってある?』

『水族館に行きたいな~イルカショーが見たい!』

『俺もイルカ好きだし、今から一緒に見に行くか!』

『うん! ありがとう。』

『お礼なんって! こんな俺と一緒に居てくれて俺こそありがとう!』

『ダイスキ!』

『俺もだよ。』



常に彼女の事を気にかけて、俺が彼女にかける言葉が彼女も嬉しいのだと思う!

“女性がよく言う、愛されている”という感情なのだろうか?

俺も仕事より趣味より、彼女を一番に考える男だから、彼女にそう想われる

事が俺も嬉しい!





・・・しかし?

俺は彼女と付き合った後も、彼女にフラれない男だから、

【彼女と別れる時も俺から別れるの言葉を言う。】

突然、俺からフラた彼女は? 殆どの女の子がキョトンとして

俺の別れ話を聞いて、最後は泣き崩れて別れるという流れになる事が多かった。

当時付き合っていた彼女も、“俺が女性にモテる事をよく知っていたのだと思う!”

彼女がもし? 考え直してほしいとか、私の良くないところを直すからと

言う事もあったが、俺はただただ“ごめん無理”と断わった!

何故なら? 俺は付き合っていた彼女と結婚する気がなかったからだ。

“俺は自由人!”

誰にも束縛されたくない!

女性は直ぐに付き合った男と“結婚を考えるが、”

男は皆、そうじゃない事を知らないのだ!

俺のような自由人は、“結婚相手には向いていない!”

だから俺も彼女の為に、嫌いでもないのに別れる選択をする。

“全ては彼女の事を想ってする事だけど? 当然! 彼女には俺の気持ちは

伝わっていない!”

それでも俺は彼女に別れを告げる。



・・・そして今日、今付き合っている彼女にまた俺は別れを告げる。



『“ごめん、俺と別れてくれないか?”』

『えぇ!? 急に何言っているの? 冗談だよね?』

『・・・ご、ごめん、』

『ごめんって? なんで急に別れたいなんて言うの? 私の事が嫌いに

なったから?』

『“他に好きな女がデキたんだ!”』

『・・・サイテー! 分かった、そんなに言うなら、別れてあげる!』

『ごめん、』

『でもね、本当は別れたくなんだよ! それだけは知っておいて。』

『・・・本当にごめん、』

『いいよ、じゃあ、もう会う事は二度とないと思うけど。』

『・・・う、うん、』

『“やっぱり別れたくない! なんで別れなきゃなんないの!”』

『ごめん、』

『ごめんって言ったら? 納得すると思ってんの!』

『しないだろうけど、それでもごめん、』

『そうだよね、分かった、』

『・・・・・・』

『もう本当にいい! 別れる!』

『・・・ううん、』



・・・彼女は俺の言う事を本当に納得したのかな?

でも取り合えず、俺と別れてくれた。

全ては君の為だよ。

“他に好きな女ができる訳ないじゃないか!”

ずっと俺は君が好きなんだから、それでも俺と別れてくれてありがとう。

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“俺は今まで一度も! 俺から女性に告白してフラれた事がない男!” 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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